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染色剤の頭皮へのダメージ

男性でも染色剤を使い、髪の毛をカラーリングするのが当たり前の時代になってきました。理容室、美容室に通う、もしくは市販のカラー剤を自ら購入し髪を好きな色に染め上げている人は多く、白髪染めを含め全く経験がないという方は少なくなってきています。

ただ当たり前のことですがカラー剤には化学物質が使われており、それにより髪の毛の色が変化するもしくは脱色する仕組みとなっております。これは体には影響がないのでしょうか。髪の毛に悪影響を与えたりはしないのでしょうか。毛根そのものにダメージを与えるという話もあるが真偽はどうなのか。カラーリングの危険性はどういったものかなどについてお話できればと思います。

ヘアカラーの仕組み

ほとんどのヘアカラーは、1剤と2剤という2種類があります。1剤は酸化染料とアルカリ剤で、2剤の成分は酸化剤なのです。この1剤と2剤を混ぜることで酸化染料が発色します。1剤と2剤を混ぜたものを「混合液」と呼びます。これを髪に塗ると1剤の中のアルカリ剤が髪のキューティクルを開きます。そうすることで、混合液が髪の内部に浸透していくのです。
発色した染料の分子は結合し、より大きくなるという性質があります。髪の内部に浸透した後は自然と閉じ込められます。これによりの色が髪に定着します。

パラフェニレンジアミンとは

パラフェニレンジアミンという、成分があります。これは工業用の染色剤にも使われることもあります。
これを髪の毛に多少染める程度では、身体への中毒性などがほとんど無いので、広く使われている成分です。しかし、この成分が実は確実に毛根にダメージを蓄積させているといえます。
通常、微量なダメージに過ぎません。しかしアフターケアをせずに長年使い続ければダメージがどんどん蓄積されるのです。

紫外線も髪を痛める

また紫外線も髪の毛を傷めます。これは紫外線を多く浴びると髪のキューティクルが破壊されるのです。キューティクルは髪の毛の表面を保護しているバリアの様なもの。つまりこのキューティクルが破壊されると、髪の毛が乾燥します。

痛んだ髪の毛はかなり抜けやすくなるため、紫外線を浴び続けているといずれ髪の毛は抜けてしまいます。そして量が減ります。紫外線で薄毛になる要因です。

毛根がダメージを受けると

髪の毛が傷むと、これは元に戻ることはありません。
健康な髪の毛は、毛根からきちんと生えてくるからです。その毛根がここにダメージを受けてしまうことは、健康な髪の毛がもう二度と生えてこないことを意味します。徐々に生えてくる髪の毛が非常に細くなっていきます。そして最終的には毛根自体が致命的ダメージを負ってしまうこともあります。

極端を避けること

では対策としてカラー剤を一切使わなければよいのかというとそうとも言い切れません。確かにカラー剤を一切使用しなければ頭皮にダメージが蓄積することはないでしょう。しかし、仮に使用したからといって頭皮に間違いなく致命的ダメージが起きるかといえばこちらも疑問です。

要は用法用量を守り、正しく使用するというのが重要なのではないでしょうか。そして効果や副作用などは最終的に体質による部分もあるので、十把一絡げに問題ないと言い切ることもできません。

カラー剤を使用することで、見た目の印象が良くなる、気分が明るくなるなどプラスの効果もあるため、まったく使用しないことが一概に勧められるのかというと難しいものがあります。

まとめ

カラー剤は用法用量を守り、正しく使用することが大事です。ちなみに自毛植毛を行うと薄毛の方も多種多様なヘアカラーを楽しむことができます。メリット・デメリットをしっかり認識し使用しましょう。

発毛、育毛、増毛、植毛の違い

今回は基礎的な髪の毛の話になります。これらの用語の意味は知っておいた方がカウンセリングなどで困ることはないといえます。薄毛対策は実は発毛、育毛、増毛、植毛の4タイプに分類できます。それぞれの詳しい違いについては知っていますでしょうか。この一見分かるようで分かりにくい薄毛の対策方法についてその違いをご紹介していきます。

育毛

これは多くの人が知っているかと思います。

育毛は、もう既に生えている髪に対して行う薄毛対策です。発毛と極めて似ていますが、育毛の場合、既に生えている髪の毛を育てボリュームを出すことで薄毛を解消させるのです。育毛の方法は、育毛シャンプー、育毛剤、育毛マッサージなどです。

髪の毛はきちんと生えているが長さが短い、細い、直ぐに抜け落ちてしまう方が行うと効果的な薄毛対策です。

発毛

発毛は、育毛と勘違いされやすいのですが、明確に異なります。これから生えてくる髪に対し行う薄毛対策なのです。具体的には頭皮環境を整え、これから生えてくる髪の毛を育ち易くさせるのです。発毛シャンプー、発毛マッサージ、生活環境の見直しなどが発毛対策として挙げられます。

頭皮環境や体質などの問題があり髪の毛が生えにくい方がする薄毛対策です。

 

増毛

増毛。こちらも発毛、育毛と勘違いされている方が多くおられます。しかしこちらは既に生えている髪の毛に人工毛髪をしっかりと結び付ける薄毛対策なのです。いわゆる人工毛植毛のことです。

髪の毛1本に5〜6本の人工の毛髪を結び付け、ボリュームを出して見た目を改善させます。付け毛、エクステ、カツラも広義では増毛です。

増毛はカツラメーカーなどが展開している増毛サービスの店舗等で行われます。こちらは発毛、育毛のように自分の本来の再生しようとする力に期待するのではなく、物理的な半ば強引な手段で見た目を改善したいという方が行う薄毛対策です。

植毛

人工毛植毛と区別するために、こちらは自毛植毛ととらえて頂ければと思います。後頭部や側頭部などの自分の髪の毛を少ない部分に移植する薄毛の対策です。

植毛は、当院のような専門の医療クリニックで医師免許を持っている医師による手術が行います。増毛よりも不自然ではない仕上がりとなります。手術で自分の髪の毛を薄毛となっているところに植え付けます、そこにボリュームを出し薄毛の名前を解消させます。

発毛、育毛は人により効果が違うので、しっかりと確実に薄毛を解消したい場合、植毛になります。なぜかというと増毛の場合は、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスを怠ると不自然な見た目になります。

植毛は自身の髪を薄い部分に移植するため、定期的なメンテナンスは必要ありません。髪がかなり伸びても、増毛のように不自然さが出ることはまずありません。初期費用は高くなりますが、自然な仕上がりを求める方は自毛植毛を選ぶべきでしょう。

男性型脱毛症(AGA)について

発毛抑制成分のTGF-β1が、毛乳頭に作用することによりヘアサイクルが乱れます。

ヘアサイクルは、正常なら「休止期」→「成長期」→「退行期」を2~6年の周期でくり返します。そして毛髪は成長期の間に太く、長く、強く成長します。しかしながら、TGF-β1が作用すると成長期が短くなります。なんと毛髪がきちんと成長する前に抜けてしまうのです。

つまり毛髪密度が徐々に低下し、薄毛の症状が現れるのです。AGAの原因は、じつは男性ホルモンではないのです。5αリダクターゼⅠ型、Ⅱ型とテストステロンが結合してできたDHTの濃度により発症するのです。

レセプターの感受性が生まれつき高い人、5αリダクターゼが多い人も薄毛になりやすいといえます。

 

 

薄毛の薬と副作用について

薄毛の治療薬はまだまだ世間に知られているとは言えないため、大勢の人が誤った知識を持っています。使用方法を間違えると副作用で取り返しのつかないことにもなりかねません。
日本で有名なAGA治療薬は「フィナステリド」や「ミノキシジル」です。 ここでは、治療薬が髪に与える効果や、副作用について説明します。

ミノキシジルとは

髪を作る毛母細胞や、その働きをサポートする毛乳頭細胞は、血液の流れがここで滞ると働きが鈍ります。そして髪に必要な栄養素や血液をきちんと行き届かせることができなくなります。ここで、注目されたのがこのミノキシジルです。 ミノキシジルはもともとは別の病気の治療薬(高血圧の治療薬)として広く使われていたのです。


しかしです。血管を拡張し、かなり血行を促進する効果があったので、毛母細胞や毛乳頭細胞の働きを非常に活発にしてくれます。そして発毛を促す育毛剤の成分として使われるようになりました。

副作用について

ミノキシジルですが、薬ですので副作用が皆無というわけではありません。かゆみやかぶれ、そのほかじんましん、皮膚炎などがたまに発生する場合があります。 発生率は含有量が多いほど高まっていくといわれています。
もともと高血圧の方に処方していた薬です。低血圧の人が使うと血圧が低くなり過ぎるという危険性も指摘されています。
ミノキシジルは、心臓病を患っている人、未成年、頭皮にトラブルのある人、高血圧の治療薬を使用している人は控えて頂ければと思います。

AGAの治療薬は髪に刺激を与えます。しかし当然副作用も持っています。

 

フィナステリドについて

さて、次はフィナステリドの説明になります。ミノキシジルは塗り薬としての使用が推奨されていますが、プロペシアは錠剤です。錠剤タイプの飲む育毛剤であるフィナステリド。AGA治療における代表的な薬の1つです。国内の臨床試験では3年間使用で70%以上の人に薄毛の改善傾向があったと言われています。 フィナステリドは、もともと前立腺肥大症を治療するための薬として作られました。それから、抜け毛抑制作用があることが分かったので薄毛用の薬として使われるようになっていきました。

フィナステリドは脱毛の発生を引き起こすジヒドロテストステロンを抑えます。髪の毛が細くなって抜けるのを防ぐ効果があるといわれています。

副作用

主な副作用ですが性欲減退と勃起機能低下の2つです。実際この2つの副作用に科学的根拠はまったくありません。しかし科学者の間ではフィナステリドを飲んだ人の精子が減少し、性欲も減少しているのではないかと考えられているのです。
日常生活を送る上でほとんど問題が無い副作用ではあります。しかし子どもを作ろうとしている時などにはかなり影響が出ます。フィナステリドは女性、未成年、前立腺の病気を患っている人は控えましょう。前立腺肥大症や前立腺癌に効果が確かにあるのですが、前立腺癌の早期発見に有用とされている腫瘍マーカー「PSA」の血中濃度を低下させる作用があることもわかっています。その結果、前立腺癌が見落とされるケースもあるのです。

 

まとめ

薬というものは必ずといっていいほど副作用があります。これは個人の体質によるため、必ずしも誰もが感じるというわけではないので、少し厄介なのです。つまりある人が治療薬を飲んで副作用が出たとしても、自分が同じ量を使用してもまったく異常がなかったということもあるのです。

しかしそれを事前に知る方法は簡単ではありません。そのため、薬の使用は医療関係者へ相談の下、正しい用法用量を守りましょう。このルールを最低限守るべきだといえます。

 

塩分摂取について

塩分というと体に悪いのでなるべく取りたくないという人が多いです。しかし塩分は過剰摂取こと控えるべきものですが、実は人体にとっては欠かせない物質でもあります。

この塩分は薄毛にも関係があるのでしょうか。

素朴な疑問について解説していきます。

塩分とは

 人の身体の中には、常に一定の割合で塩分が含まれています。この塩分が、生命に直結する大切な働きをしています。タンパク質や脂肪が身体を動かすエネルギー源になるのに対して、塩の役割は、体内のいろいろなシステムの働きを守り、維持すること。つまり塩が足りないと、身体のあちこちが故障して働かなくなってしまうわけです。

塩は、私たちの身体の中の血液・消化液・リンパ液などの体液に、イオンの状態で溶けています。そして、細胞の内と外との体液の圧力(浸透圧)を調整し、バランスを一定に保つ働きをしています。実はこのバランスが、食べ物から栄養素を吸収するためにとても重要なのです。どちらに傾いても、栄養を体内に取り込めなくなってしまいます。塩を正しく摂らないと、循環不全、血圧低下、脱水症状、ショック症状や立ちくらみ、むくみなどにつながります。また新陳代謝も衰えるので、お肌にも良くありません。

https://www.nihonkaisui.co.jp/small_customer/learning_salt/health

このように塩分は体にとって欠かせない物質ではあります。しかし、次のように注意点もあります。


リスクには、高血圧、腎機能の低下、骨粗しょう症、胃がんなどが挙げられ、中でも高血圧によって動脈硬化が進行すると、脳卒中や心不全など命に関わる病気を引きおこします。こうしたリスクは生活の質を下げるだけでなく、要介護状態をまねく恐れもあります。脳卒中は半身麻痺や言語障害などの後遺症が残ることもあり、要介護状態になる原因の中で2番目に多いのです
https://myhealth.euglena.jp/products/salt/article/2

過剰に塩をとってしまうと、重篤な病の原因になることもあるようです。

 

CGRP

では薄毛と塩の関係を見ていきましょう。少々難しい話となりますが「CGRP」という物質はご存じでしょうか。これが減る事が、塩分過多による薄毛の原因の一つです。「IGF-1」という別の物質の生成する役割をもっていて、このCGRPが減れば、IGF-1もおのずと減ります。つまるところ塩分を過度に摂取するとCGRPが減ります。そしてIGF-1は髪の毛のヘアサイクルをしっかり補正する働きがあるため、IGF-1が減ってしまうとヘアサイクルが乱れます。髪の毛が伸びずにますます薄毛となってしまう事があるのです。

血行が悪化する

また過度に摂取すると身体の血行をかなり悪化させてしまう事があるのです。なぜかというと塩分は過度に摂取すると、血管が縮まります。そして動脈硬化を誘発するのです。

髪の毛は血液に含まれる栄養素で成長していきます。そのため血行が悪化すると栄養素が上手く髪の毛まで運ばれなくなります。髪の毛の成長を非常に妨げてしまいます。
これが、塩分による薄毛の原因の一つです。

 

塩分の摂りすぎを防ぐには

ここまで見てきて、塩分の摂りすぎを防止するにはどうしたら良いのでしょうか。
まず単純に塩分を摂り過ぎない様にすること。これが一番重要な対策ですが、じつは日本食には塩分がかなり含まれています。普通に外食するだけでも塩分を意図的に減らすのはこれは非常に難しいものなのです。
水を飲むようにする、運動をして汗をかく、自炊にして塩分をあまり使わない食事をするという対策が考えられます。