薄毛を引き起こすホルモン

なぜ薄毛になったのか。それらの原因を知ることは非常に大切です。 原因が分からいと対策も立てようがないからです。

例えば、筋肉量をアップしたいという人がいたとして、筋肉がどのようにして大きくなるのかを全く分からないまま、アップするのはほぼ不可能です。筋肉は負荷をかけて筋繊維を破壊し、しっかり栄養を補給することで大きくなります。この仕組みが分からず、負荷の低いトレーニングばかりを続けても筋肉は成長しません。

薄毛も同様です。その原因や仕組みを知れば対策も立てやすくなります。

今回は薄毛を引き起こすホルモンについてご説明いたします。

薄毛について

薄毛の原因は人によって違います。遺伝だけが原因ではないこともあるというのは、知っておく必要があります。しかしとりわけ男性型脱毛症(AGA)と呼ばれる脱毛症の原因は、遺伝に深くかかわっていることがわかっています。

男性の薄毛の症状で世界で最も多いといわれているAGA。日本には1000万人以上の患者がいるといわれています。 男性型脱毛症の症状の特徴として、思春期以降に引き起こされ、髪の生え際や頭のつむじ周辺の毛髪が的徐々に失われ、薄毛になっていくことです。

生え際と頭頂部、同時に進むパターンや、どちらか一方だけが進行したりと、いろいろなパターンがあります。

薄毛を引き起こすホルモンとは

男性ホルモンのテストステロンは聞いたことがあるかもしれません。この酵素が突然、変異した男性ホルモンをジヒドロテストステロン(DHT)と呼びます。 DHTは、薄毛進行させるだけでなく、体毛を増加させたり前立腺を肥大させることもあります。

テストステロンを変異させる、酵素の量は体質や遺伝に関係すると言われています。この酵素がレセプターと結びつきやすい人が薄毛になりやすいと言われており、これはほぼほぼ遺伝で決まるということです。

DHTの元となるテストステロンの分泌を抑えるといいのではと思いがちですが、健康的に生きていくために男性ホルモンは欠かせないもの。テストステロンそのものが薄毛原因ではないため、ここは注意が必要です。

薄毛になるかは環境も影響

遺伝だから、あきらめる。これは少し違います。自毛植毛であれば、DHTの影響を受けていない後頭部の毛髪を前頭部等に移植することで、半永久的に自分の髪の毛を維持することができます。また、 テストステロンを変異させる酵素をおさえることで、薄毛の進行を遅らせることも可能です。

ちなみに放置してしまえば、残念ながら自然に改善することはありません。予防としては、まずは頭皮の環境をしっかり整えることが大切です。

薄毛が目立ってきたら

AGAの場合、薄毛が目立ってきたら自毛植毛がおすすめです。自毛植毛は自分の髪の毛が何度でも生え変わります。これはAGAの症状が出ていない後頭部の髪の毛を、すでに髪の毛が生えてこなくなった前頭部や頭頂部に植えているためです。

前頭部への移植後の髪は一度定着すると、髪の毛の成長サイクル通り、成長期には育ち、退行期には抜け落ちます。これを繰り返すのです。そのため、パーマやヘアカラーも問題なく可能で、おしゃれを楽しむこともできます。

これは人工物を頭皮に植えこむ人工毛植毛にはない、自毛植毛のメリットです。

これ以外にも薄毛治療薬による治療もありますが、薬の合う、合わないは個人差があるだけでなく、副作用もあるので慎重な扱い方が求められます。自毛植毛であれば自分の髪の毛なので、拒絶反応などの心配はほぼありません。

まとめ

薄毛を引き起こすホルモンについてご説明しました。テストステロンと、薄毛を引き起こすとされるDHTはまったくの別物です。この二つを同列視しないようにしましょう。

筋トレと薄毛について

たまに筋肉トレーニングをすることで、薄毛になりやすくなると聞きますが、これは本当なのでしょうか。

筋肉を大きくするのにも、薄毛にも男性ホルモンがかかわることから生まれるこの疑問ですが、実際しどうなのでしょうか。

今回は筋トレと薄毛についてご説明します。

男性の場合、約95%が睾丸(精巣)の中で、残る5%が副腎で合成され、分泌されていると言われています。テストステロンの原料はコレステロールで、体内で複雑なプロセスを経てテストステロンに生合成されています。

テストステロンの分泌量は、脳からの命令でコントロールされています。血中に分泌されたテストステロンは11~90分で約半分になり、少量はエストロゲン(女性ホルモン)に換わりますが、大部分は肝臓で代謝されて、尿中に放出されます。健康な男性にも、少量ながら女性ホルモンが分泌されているのです。

出典 https://www.daito-p.co.jp/reference/testosterone.html

筋トレと薄毛は関係ない

結論から申し上げます。筋肉トレーニングを行うことと、薄毛の進行は相関性はないと思われます。筋肉を発展させる際に大事なのは善玉男性ホルモンのテストステロンです。

AGA(男性型脱毛症)の原因はこれとは違い悪玉男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)と言われています。

DHTが発生する理由は5αリダクターゼという酵素が関係しています。これとテストステロンが結びつくことによりDHTとなるのです。5αリダクターゼはどの男性も持っていますが、結びつきやすさや量は遺伝等により決まるとされています。これは筋肉トレーニングとはまったく関係ありません。

テストステロン値が高いと筋肉も大きくなりやすいと言われていますが、そのような人が誰しも薄毛になっているわけではありません。筋トレをすることにより薄毛になるとは言えないでしょう。

筋トレのメリット

筋トレは体にとって大きなメリットがあります。まず運動自体が体にとってメリットだらけです。運動をすることで汗をかきます。汗には水分のほかに塩分も含まれています。つまり、きちんと水分補給をしながら行うことで、体から余計な塩分を排出することができます。

また筋トレを定期的に行うと、基礎代謝が上がります。基礎代謝は、座っているときや寝ているときなど、何も活動していない状態でもエネルギーが消費されることをいうのです。基礎代謝を上げることで太りにくい体質になります。これによりダイエット効果も期待できるなど、いいことずくめです。

それから、筋トレを行うと、幸せホルモンと言われる「セロトニン」が分泌されます。セロトニンに、緊張をゆるめたり、気分をリフレッシュさせたりする効果があります。ストレス解消にも効果的ということです。

さらに睡眠の質も向上します。筋トレによる疲労感により深い眠りにつくことができます。

筋トレのデメリット

筋トレは適度に行う分には非常に体にいいのですが、やりすぎると話は変わってきます。筋トレをしすぎることをオーバーワークといいすが、この状態になると常に疲労感を感じることになり、ひどい人では軽い鬱状態を引き起こします。

また筋肉の成長には休息も必須なため、筋肉の成長すらも阻害されてしまいます。これらを防ぐためには、毎日筋トレするということを控え、適度に休養をいれることが大事です。

 

まとめ

筋トレと薄毛についてご説明しました。

筋トレはDHT悪玉男性ホルモンの生成に関わっているわけではないため、AGAにはほぼほぼ影響しないということが分かったかと思います。

もし、薄毛が目立ってきたら自毛植毛等の薄毛治療を検討してみましょう。

 

塩分摂取と薄毛の相関関係

塩分摂取が即座に薄毛に結び付くということはありませんが、塩分の過剰摂取が体に良くないことは明白です。薄毛の原因は、遺伝のほかストレス、生活習慣など挙げられます。もちろん食生活も大切で、塩分過多は食生活の乱れに繋がります。

今回は塩分摂取と薄毛の相関関係について解説していきます。

IGF-1は「インスリン様成長因子」と呼ばれ、インスリンによく似た化学構造をもつ成長ホルモンの一種です。
食物を食べることで栄養成分が血中に増加してくると、これを検知して各細胞を活性化させるペプチドです。体の成長や発達に重要な役割を果たしています。
牛乳だけでなく、大豆を食べてもIGF-1の血中濃度の上昇がみられます。IGF-1は牛乳の加熱殺菌工程で活性を失い、消化管酵素によっても分解されて無害となります。

出典 https://www.j-milk.jp/knowledge/food-safety/uwasa23.html

IGF-1

毛母細胞がIGF-Iの刺激を受けることで、へアサイクルを正しい周期に戻し、髪の毛が抜ける休止期を短くする働きがあると言われています。

塩分を極端に摂取するとCGRPが減ります。このCGRPはIGF-1という物質を生成する役割をもっており、CGRPが減ると、そのままIGF-1も減っていくとのことです。 そしてIGF-1は髪の毛のヘアサイクルをきちんと補正する働きがあるため、IGF-1が減るとヘアサイクルが乱れ、上手く髪の毛が伸びず、薄毛となってしまう事があります。

血液の流れやすさ

血液の流れやすさも髪の健康に大切です。
IGF-1は血管内皮細胞に働くと抗炎症作用を発揮。そうすると血管も拡張するのです。
血管を拡張させるという一酸化窒素増やす働きもあります。

抗炎症作用

IGF-1には抗炎症作用があります。

頭皮に炎症が起こると、毛髪の成長が妨げられます。掻いたり、かさぶたとなったり。髪の毛を痛めてしまう原因にもなります。
抗炎症作用のおかげで、頭皮が健康状態を保ちます。

 

 

血行の悪化

塩分は人体にとって必須です。しかし、過度に摂取してしまうと血行を悪化させてしまいます。塩分は過度に摂取すると、血管が縮まるため動脈硬化を誘発するのです。

髪の毛は血液中の栄養素で成長していきます。血行が悪化すると栄養が上手く髪まで運ばれなくなるということです。成長を妨げてしまいます。これが、そのまま塩分過多が原因の薄毛と言えます。

 

塩分を摂りすぎないためには

日本食には塩分が様々含まれています。塩分を摂り過ぎない様にしたいところですが、塩分を減らすのはなかなか難しいのです。以下の取り組みによって塩分は減らせます。

カリウムと水の摂取

カリウムと水を摂ることで、体内の塩分を分解できます。カリウムは何に多く含まれているかというと、野菜や果物に多く含まれています。

運動

ランニングなどの運動をすると、汗とともに塩分が放出されます。
塩分を摂りすぎたと思ったときは、定期的に運動を心がけましょう。

塩分濃度の高い食品を食べない

ラーメン、味噌汁などは塩分濃度がかなり高いことで知られています。ポテトチップスもそうです。料理の味付けも、塩の代わりに酢や胡椒を使うようにします。

この方法であれば、食事の内容自体は大きく変えなくとも、塩分を多く減らすことができます。

 

まとめ

塩分摂取と薄毛の相関関係についてご説明しました。直接的には関係ありませんが、塩分過多は血行不良と大いに関係があることから、無関係とは言えない。ということが分かったと思います。

将来は自毛植毛施術を受けると決めた方も、塩分の摂りすぎに注意するにこしたことはないでしょう。

 

世界で自毛植毛は行われているのか

日本は世界第三位の経済大国なので、医療の分野でも比較的新しい術式や技術が、すぐに導入されます。このとても恵まれた環境を私たちはしばしば忘れてしまいそうになります。

また日本は英語圏ではないため、国民全体でみると世界の事情にとても疎いといわれています。これはある程度は仕方のないことではあります。

さて、自毛植毛においてはどうでしょうか。世界で実際に行われているかどうかについて解説致します。

世界で自毛植毛は行われている

アメリカでは、年間90万人が植毛治療を受けているといわれています。一般的なものとなっているようです。またオーストラリア、カナダのほか、イギリス、イタリア等ヨーロッパ諸国でも自毛植毛は行われています。

隣国の韓国では、植毛の公的健康保険適用を公約に掲げる候補者もおり、あと一歩のところまで迫りました。

このように植毛は決して日本だけではなく、世界各国で広く行われているということがわかります。

確実性の高さ

需要が増えてきている理由の1つに自毛植毛の確実性を挙げる方がいます。薬を使う薄毛治療は、治療費が膨大にかかります。また効果を実感するまでに時間もかかります。これがデメリットになっています。人により効果に違いもあるため、確実に効果を得られると断言できないのです。

こちらと比較すると自毛植毛は効果がすぐ分かります、効果が実感しやすいのです。それにくわえて植毛技術が発展し安全性も高まってきたこともあると思われます。

それなりに安全な治療であることが認識されるようになってきたため、治療を受ける人も増え、世界中に広がったのでしょう。

需要の発掘も

植毛は男性だけの治療方法ではありません。女性の薄毛治療も最近ではかなり多いです。女性の薄毛は男性とはまた違いますが、これが潜在的な需要を掘り起こしたとされます。植毛件数の増加に結び付いていることは間違いないでしょう。

それから、途上国の経済成長がその国の富裕層の植毛に結びついている。これも極めて大きな理由です。経済的成長と市場拡大に比例して植毛の需要も増えている国もあります。

自毛植毛と人工毛植毛

自毛植毛とよく比較されるのが人工毛植毛です。

人工毛植毛は自毛植毛と違い、ポリエステルやナイロンで作られた人工の素材を頭皮に植えこむというものです。アメリカでは問題のある増毛法とされ法律で禁止されています。

一方,人工毛植毛術については,過去に多くの有害
事象の報告があるため70),米国の食品医薬品局(Food
and Drug Administration)は人工毛自体を有害器具と
して指定し,人工毛の使用を事実上禁じている71)

出典 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf

日本皮膚科学会のガイドラインによると、自毛植毛は勧められるという評価ですが、人工毛植毛はD評価と厳しいものになっています。

毛髪というものは構造上汚れがたまりやすく、少しずつ伸びることで埃を出しています。しかし、人工毛の場合、髪は一切成長しないため、このもともと備わった自浄作用が一切働きません。結果として炎症や化膿を引き起こしてしまい、血流の低下などを起こします。

また人体にとっては異物なため、拒絶反応を発生させる可能性もあるなど、危険度が高く、おすすめできません。

 

まとめ

世界で自毛植毛は行われているのかについてご説明しました。

自毛植毛は今後とも世界中で行われていくでしょう。今後は韓国のように公的保険の対象にするかどうかが、議論されるようになる未来が予想できます。植毛の普及事情も新たなステージに入りつつあると言えます。

 

薄毛治療を中断するとAGAは進むのか

自毛植毛を検討している方や、投薬治療をしている方の多くは、「薄毛治療を中断してもいいのか」という疑問があるかと思います。

薄毛治療にはある程度の費用がかかりますし、AGA治療薬一つとっても、毎月の医療費負担は決して小さなものではありません。可能であれば治療をやめたいと思っている方も多いでしょう。

今回は、薄毛治療を中断するとAGAは進むのかについてご説明します。

AGAとは

AGAは男性型脱毛症のことで、「Androgenetic Alopecia」の略称です。薄毛は加齢とともにある程度進行しますが、AGAになると、年齢を問わず薄毛症状がみられるようになります。

生え際、頭頂部が主に薄くなり、後頭部や側頭部には症状が及びにくいのも特徴です。

また、AGAは自然治癒しませんので、放置すると症状はより悪化すると言われています。

 

AGAの判定法

薄毛治療を行っている自毛植毛クリニック等に診察してもらうのがより確実ですが、自分でもある程度判断可能と思われます。

生え際、頭頂部の髪の毛が細くなった

AGAは髪の毛がいきなり抜けてツルツルの頭になる症状ではありません。段階を踏んで薄毛は進行していきます。

まず、一番はじめに頭髪に現れる変化は何かというと、髪の毛が細くなるという現象です。これはAGAになると髪の毛の成長が阻害されるため、髪の成長期が短くなるために起こります。

そのため、髪の毛が細くなるということは髪が十分に成長していないということなので、AGAの可能性があります。

前頭部、もしくは頭頂部が薄くなった

先述した髪が細くなるという現象は、分かりにくい部分もあり、だれもが気づくという分かりやすい症状ではありません。多くの人が実感しだすのは、頭のどこかが、分かりやすく薄毛になってからでしょう。

AGAの特徴としては、こちらも先述しましたが、前頭部、もしくは頭頂部に症状が顕著にみられることが分かっています。

生え際やつむじ周辺が薄くなってきたように感じたら、AGAが進行してきているという可能性が高まります。もちろん、前頭部と頭頂部が薄くなってきたら、だれもがAGAという訳ではなく、別の原因も考えられるので、注意が必要です。

薄毛治療を中断するとAGAは進む

自毛植毛に限らず、投薬治療であろうと、薄毛治療を中断するとAGAは進行します。ただ、こちらはかなり個人差がある部分もありますので、個人で判断するのは少々危険です。

ここはきちんと医師の判断を聞き、それに従ったほうが良いでしょう。選び方としては、ネットの掲示板などを参考にするのはサクラや、デマも多いのでおすすめできません。たくさんの症例があるクリニックというのが一つの目安です。

AGAの誤解

薄毛の改善には生活習慣の改善などが効果的ですが、これはAGAの発症とはほとんど関係がないことが分かっています。

AGAが発症する確率はある程度遺伝で決まります。しかし、AGAを発症している方の中でもCTEを併発していたり、血行不良により、さらに薄毛が悪化している―。という患者様もいます。

血行不良などの薄毛とAGA原因の薄毛は分けて考えることが大事です。しかしながら、これらを見分けるのはかなりの経験がないと困難です。

自毛植毛を検討している方はクリニックに相談し、今後の対策などを医師とともに話し合うのが良いでしょう。

まとめ

薄毛治療を中断するとAGAは進むのかについてご説明しました。

全部の治療法に共通することして、治療を中断するとAGAは再び進行してしまいます。AGAに悩んでいる方は、メリット、デメリットをしっかり検討し、自分に合った治療法を探すことが大事だと思います。