植毛とは?治療効果とリスク・副作用

植毛とは様々な薄毛対策のうちの一つで、薄毛のところに毛を植えて治療します。自毛植毛の場合は生着すれば自分の髪と同じ手入れで生活できる治療法です。工業製品の植毛加工というのもありますが、これは薄毛治療とは異なる技術になります。

植毛による薄毛治療に興味を持つ人の中には、手術や高額な治療費とそのリスクが不安という方もいるのではないでしょうか。その植毛について他の治療法の比較と、主な治療効果とリスク・副作用を詳しく解説します。クリニック・医師を選ぶポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

植毛とは?

植毛とは?

目次

1.薄毛治療の植毛は「自毛植毛」「人工毛植毛」の二種類

植毛には自分の毛を移植する「自毛植毛」と、人工毛を移植する「人工毛植毛」の二種類あります。

自毛植毛人工毛植毛
毛の種類後頭部や側頭部など抜けにくい毛を採取ポリエステルやナイロン製
費用ドナーの採取が必要な分高いが、生着後は自毛と同じメンテナンスで済む1回の手術費用は自毛植毛より安いが、定期的なメンテナンスが必要な可能性がある
毛量採取出来る毛量に限りがある希望する毛量を植毛可能
拒絶反応比較的少ない拒絶反応や皮膚トラブルの可能性がある
見た目自毛と同じで自然自毛と異なるので、慎重に人工毛の種類を選択する必要がある
日本皮膚科学会による脱毛症診療ガイドライン B(男性型脱毛症),
C1(女性型脱毛症)
D 人工毛植毛術

出典:日本皮膚科学会、男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

植毛手術でいま主流となっているのは自毛植毛です。拒絶反応が起こりにくく生着後は自毛と同じメンテナンスで済む自毛植毛は、生えてくる髪質も違和感を与えないことから、日本皮膚科学会でB(男性型脱毛症)C1(女性型脱毛症)に推奨されています。植毛には人工毛植毛という選択肢もあるので、まずはそれぞれの治療効果とリスクを解説します。

自毛植毛とはAGAになりにくい自毛を活用する方法

自毛植毛とは後頭部や側頭部などAGAの影響を受けにくい部分から、髪を生み出す毛根細胞を含む皮膚ごと採取しを、薄毛治療する頭頂部やおでこに移植する手術です。

手術の流れについて詳しく説明します。はじめに必要なところに麻酔を行います。その上で後頭部や側頭部などの薄毛になりにくい髪を毛根ごと採取し、植え付けるために株分けをします。次に埋め込むところに埋め込む穴をあけ、穴をあけた頭皮に株を植え込み手術は完了です。その後は生着するのを待ちます。植毛した後は一旦脱毛しますが、おおよそ6ヶ月前後で新しい毛が生えてきます。

植毛した毛根は、AGA(男性型脱毛症)などの影響を受けにくい性質を持っているので、薄くなってしまったところの頭皮でも、自毛植毛した毛根は抜けにくい性質を持っています。

薄毛の原因は様々ですが、男性の脱毛症の多くはAGA(男性型脱毛症)です。
AGAの原因は男性ホルモンの一種DHT(ジヒドロテストステロン)が、毛髪内にある毛母細胞にあるホルモンレセプターと結合し、発毛を抑制する「TGF-β1」を生成することで発症します。
DHTと結びつくホルモンレセプターは、前頭部・頭頂部に多く、側頭部・後頭部は少ないため、AGAの影響を受けにくい側頭部、後頭部の毛髪を、前頭部・頭頂部に植毛するとAGAの影響を受けにくい性質を持ったまま成長します。その結果、AGA治療として自毛植毛は効果的とされています。

またFAGA(女性男性型脱毛症)の治療としても自毛植毛は治療効果が期待できます。

AGA原因

これまで自毛植毛はメスで頭皮を帯状に切除する「FUSS法」(FUT法)が多かったですが、現在の日本ではメスを使わずにドナーとなる毛根細胞を1つずつ採取する「FUE法」が選ばれることが増えています。採取時にメスで切らず済むので、頭皮への負担を軽減できます。

大量の毛を植毛したい場合は、「FUSS法」の方が適しているケースもありますので、クリニックに相談しながら将来の植毛計画も見据えて決めましょう。

人工毛植毛は化学繊維の人工毛を活用した方法

頭皮に人工毛を植毛するので、希望した毛量を植毛できます。また他の箇所が薄くなることはありません。

この説明だけだとメリットが多いと思われますが、人工植毛は日本皮膚科学会のガイドラインにおいて推奨度が低い施術として扱われています。

要因として人工毛を植毛することで、化学繊維を異物とされた時の拒絶反応の懸念や、人工毛により皮膚トラブルを起こすなど、様々な頭皮トラブルが起きる可能性があるからです。ただし適切な医療機関で施術を受けることに関しては禁止されてはいません。

また当然のことながら人工毛は成長しないので、定期的に植毛する必要があります。見た目も自毛になじまないこともあるので、違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

2.自毛植毛の治療効果とリスク

自毛植毛と人工毛植毛の治療効果やリスク・副作用を踏まえて判断すると、人工毛植毛よりも自毛植毛がなぜ推奨されているのかが分かります。

さらに自毛植毛について詳しく治療効果を挙げてみました。自毛植毛にもリスクもありますので、治療効果とリスクをしっかり見極めた上で、薄毛対策方法を選ぶ事をお勧めします。

■自毛植毛の治療効果

自分の髪なので自然

自毛を植毛するので他の髪とも馴染みやすく、自然な仕上がりになります。見た目・手触り感も自毛と同じになります。

手術後に生着さえすれば他の自毛と同じように成長しますので、自然な仕上がりが期待できます。

拒絶反応が起こりにくい

自身の毛組織を移植する自毛植毛は、拒絶反応が起こりにくいのが特徴です。

人工毛植毛はポリエステルなどの人工毛を移植するため、拒絶反応を起こしやすく、感染症を引き起こすこともあります。それら過去の症例・実績を基に自毛植毛が推奨されています。

傷・火傷・レーザー脱毛跡に毛を生やすことも可能

植毛は傷跡などで脱毛してしまったところも治療可能です。

髪が生えなくなった部分に移植し、生着すれば自毛と同じように生えてきます。火傷によって薄毛になった部分も治療できます。
また最近は若い女性が美容する中で、意図せずして脱毛してしまったケースも増えていますが、そういったケースでも自毛植毛で治療可能です。

■自毛植毛のリスク

植毛は薄毛に悩む方にとって魅力的ではありますが、リスクがまったく無いわけではありません。植毛のリスクは主に3つです。

デメリットについてそれぞれ解説していくので、1つずつ見てみましょう。

手術費用が高額

植毛は保険適用外の自由診療にあたるので、全額自己負担で費用が高くなります。

植毛の費用は、移植するグラフト数と施術法によって決まることが多いです。ちなみに
メスを使わずに毛包を採取できるFUE法は、1株あたり950~2000円ほどでできます。

例えば頭頂部の薄毛を治療に750グラフト(髪の毛1500本以上)を植毛するとします。その場合の費用はクリニックよって異なりますが、約71~150万円が掛かります。

髪が生えそろうのに数ヶ月後~半年

ヘアサイクル

植毛した毛は一度脱毛しますが、その後は自毛と同じように新しい髪が生えてきます。

他の自毛と同じようなヘアサイクルで成長期→退行期→休止期→脱毛期の周期で成長していきます。成長期に入れば、そのまま自毛として成長し続けるので安心してください。

自毛植毛に使えるドナー株の本数に限りがある

自毛から植毛出来る株数には限度があります。

自毛植毛で移植できるのは、AGAの影響を受けにくく、薄毛になりにくい後頭部や側頭部に生えている毛です。それらの数には限りがあるので、限られた毛根は計画的に大切に扱う必要があります。

もし大量に植毛したい場合は「FUSS法」(FUT法)の方が向いている術式になりますが、どの術式にするかはクリニックに相談して症状に応じた適切な方法を選んだ方がよいです。

 

3.植毛と「かつら・増毛」「育毛(医薬部外品の育毛剤)」「発毛(内服薬・外用薬)」との違い

薄毛対策は「植毛」の「自毛植毛」「人工毛植毛」以外に、「かつら・増毛」「育毛(医薬部外品の育毛剤)」「発毛(内服薬・外用薬)」あります。

メリットデメリットコスト
自毛植毛生着すれば自分の髪の様に生え続ける。診察が必要で、手術費用は高額な外科手術が必要。手術費用は高いが一度の手術で、生着した髪は生え続けるため、長期的にはコストが抑えられるケースもある
発毛(内服薬・外用薬)ミノシジル(外用薬)、フィナステリド・デュタステリド(内服薬)は医学的に効果が認められている。個人差はあるが頭皮のかゆみや、循環器系の副作用が報告されている。継続利用が必要でその薬代がかかる。
かつら・増毛手軽に薄毛を隠せる薄毛が治療されるものではなく、メンテナンスも必要。買い換えが必要なケースもある。
育毛(医薬部外品の育毛剤)手軽に購入可能で診察も必要ない。効果に個人差がある。継続使用が必要だが低価格。
人工毛植毛自毛より安く毛量も自由に増やして植毛出来る。皮膚トラブルの可能性が報告されている。自毛植毛より1回あたりの手術費用は安いが維持費も掛かるケースもある。

自毛植毛

この中で、自分の毛を増やすという行為の中では効果が分かりやすいのは、植毛の中の自毛植毛です。増毛や育毛とは違い、植毛は医療行為になるので必ず専門医のいるクリニックで受ける必要があります。

発毛(外用薬・内服薬)

外用薬・内服薬による「投薬治療」により、毛髪を抜けにくくして生育を助けることを指します。「発毛」は、同じく投薬治療により、新たに毛髪を生やすことを言います。

AGAクリニックで受ける治療も「投薬治療」が基本になります。定期的に通院して薬をもらう必要がありますが、気軽に始められることがメリットと言えるでしょう。しかし現在の薬学では毛髪を太く強くして、これ以上薄毛が進行しないようにする効果は期待できますが、髪が生える「発毛」までの効果は個人差があります。

増毛・カツラ

増毛は1本1本の髪に人工毛を編み込み、髪全体にボリュームを出します。目に見える効果が得られるので、すぐに薄毛を隠したいときに最適な方法です。

リスクとしては脱毛とともに増毛も抜けるので、継続的なメンテナンスが必要です。

増毛をすることで薄毛の根本的な解決はできませんが、薄毛を隠すことができます。

カツラやウィッグは増毛よりも手軽に簡単に薄毛対策することが出来ます。オーダーメイドのウィッグは費用と時間は掛かりますが、より自然で好みの髪形にすることが出来ます。

育毛(医薬部外品の育毛剤)

育毛剤は、頭皮に栄養を与えたりすることで、頭皮環境を整える効果が期待できます。頭皮環境が整うと健康的な髪が生えやすくなり、抜け毛防止にもつながります。

育毛剤は頭皮環境を整え抜け毛を予防し、髪がしっかり生える効果が期待できます。

それぞれのメリット・デメリットがありますので、症状に合わせた方法を選ぶのが望ましいです。
対策画像3 自毛植毛 内服薬 外用薬

また自毛植毛の後の生着率を高めたり、治療を早めるために外用薬・内服薬による「投薬治療」を行うこともあります。最適な治療を組み合わせたクリニックを選ぶと、治療後のアフターケアも安心です。

 

4.植毛でよくあるQ&A

Q1.植毛の手術が怖い

A1.手術前に麻酔し寝ている間に手術などするので、手術中の痛みを抑えることはできます。ただし麻酔を使用できない方もいるので、医師に事前に相談するようにしましょう。

麻酔が切れた後は鈍い痛みや腫れといった症状が出る場合もあります。術後に処方される痛み止めで緩和できます。

Q2.植毛した毛はちゃんと成長するの?

A2.一般的に植毛し生着した髪の寿命は、他の自分の髪の毛と変わらないです。

そもそも移植するドナーはAGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部から採取します。つまり、植毛した部分の髪もまた、AGAの影響を受けにくい性質を持っているのです。

ドナーが生着すれば、植毛した毛はヘアサイクルを繰り返しながら他の髪とともに成長します。生着した後は、半永久的に生え変わりを続けるので、薄毛の悩みは改善が期待できます。ただし生着しなかった毛は成長しないため抜け落ちてしまいます。

Q3.男性・女性の植毛の違いは?

A3.性別によって植毛のやり方に違いはありません。男性も女性も同じように植毛手術が行われます。

しかし女性の薄毛の原因は、男性よりも少し複雑です。

男性の薄毛の原因の多くはAGAでおでこや頭頂部から薄くなり、植毛する箇所が分かりやすいですが、女性は1本1本の毛が細くなり、全体的にボリュームが少なくなったことで薄くなったと感じます。そのため、植毛だけでなく、外用剤からの治療と併せて最適な治療を医師に相談する必要があります。

また男性と女性では生え際の産毛がある方が自然など、違いがありますのでそこも考慮しているクリニックを選ぶ事もポイントです。

女性が植毛するケースは少なくありませんが、男性よりも慎重に判断する必要があります。
もちろん女性にもFAGA(女性男性型脱毛症)や怪我・火傷治療がございますので、その場合は自毛植毛で治療しやすい症状になります。

 

5.自毛植毛の術式

FUSS法(FUT法・ストリップ法)

主に後頭部から、ドナーとなる複数の毛根細胞を含む皮膚をまとめて採取、その後1つ1つのドナーにメスで切り分けていきます。一度に多くの毛根細胞を採取できるため、医師の施術時間を短縮できるため、FUE法
よりも手術費用は安いです。

FUE(ダイレクト法)

筒状の植毛用パンチを使い、毛根細胞を含む皮膚ごと採取を行います。AGAの影響を受けにくい後頭部から毛根細胞を含む皮膚ごと採取を1つ1つ選んで採取できるのが特徴です。髪を刈り上げないで行えるクリニックもあるので、傷跡も目立ちにくくなります。FUSS法に比べて大量の植毛施術には向かない術式されています。

ハイブリッド植毛

「FUSS法」「FUE法」の良いところを組み合わせたハイブリッド植毛など、クリニックや術式に特徴がありますので、それらを比較した上で決めることをお勧めします。
両方の術式の実績がある医師は限られますので、良いところを組み合わせた施術を希望する場合は、カウンセリングの時にクリニックに確認しておく必要があります。

科学的根拠に基づいたデザイン

植毛ロボット

術式ではないですが最近の自毛植毛の選択肢として、植毛ロボットを活用する方法が挙げられます。従来は医療従事者が各工程を行っていましたが、ドナーの採取などを行う植毛ロボットが開発されています。
ロボット植毛を行うメリットとしては、ドナーの採取など対応している工程に関して医師の技術の差が出にくい点があげられます。デメリットとしては側頭部からの採取や、植え込む工程は医師になるなど、対応していない工程は熟練の医師の技術が必要になります。

薄毛の進行によっては、さらにもっと範囲を広げて植毛したいと考えられる方もいるかもしれません。しかし限度を超えて移植することはできないので、ドナー株をロスしないためにも、医師やクリニックの実績を確認して、実績のある植毛専門クリニックを選びましょう。

 

6.植毛クリニックを選ぶポイント

植毛は医療行為のため、クリニック選びも重要です。高額な費用が掛かり手術を行いますので、信頼できるドクターに相談したいと考える方も少なくないのではないでしょうか。

安心して相談できるクリニックを選ぶためのポイントは、「医師・看護師の経験値とクリニックの実績」「カウンセリング」の2つです。この2つのポイントにおいて、信頼に値するクリニック、ドクターを選びましょう。

必ずカウンセリングを受ける

「医師の実績」と「クリニックの症例」の内容を確認してクリニックを選んだら、必ずカウンセリングを受けましょう。クリニックによっては、カウンセリングで薄毛の症状や予算に合わせた施術方法の提案を受けられるところもあります。

また多くのクリニックはカウンセリング無料ですが、アフターケアと併せてどのぐらい費用が掛かるかも事前に確認しましょう。

複数のクリニックでカウンセリングを受け、カウンセリング内容や治療内容が納得できるクリニックを選ぶことが重要です。治療は長期に及ぶ可能性があるため、医師やカウンセラーとの話しやすさも大切になります。

どのくらい植毛の経験があるのか調べる

クリニックの開業歴や、ホームページなどで公表されている医師の経歴、症例、実績などを調べることがおすすめです。自毛植毛は高度な技術と経験が重要なので、多くの実績を持っている医師を選ぶと安心です。

  • 医師の学歴
  • 医師の経歴(在籍したクリニックや病院など)
  • クリニックの症例・実績

以上について確認をして、慎重にクリニックを選ぶ事をお勧めします。

アスク井上クリニック院長

井上 浩一
井上 浩一 アスク井上クリニック院長

熊本大学医学部卒業
熊本大学医学部付属病院 勤務
某大手植毛クリニック 院長就任
アスク井上クリニック 開院
>>ドクター詳細

男性 / 前頭部と頭頂部 / 2,400グラフト / 2,051,500円(税込)

手術前術後7か月経過
症例写真術前16症例写真術後16

女性 / 前頭部 / 800グラフト / 819,500円(税込)

手術前術後8か月経過
手術前 女性 / 前頭部 / 800グラフト / 819,500円(税込)術後8か月経過 女性 / 前頭部 / 800グラフト / 819,500円(税込)

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植毛治療は他の薄毛治療と併せて自分に合った方法を探そう

薄毛治療には「自毛植毛」「人工毛植毛」以外に、「かつら・増毛」「育毛(医薬部外品の育毛剤)」「発毛(内服薬・外用薬)」などがあり、それぞれに治療効果とリスク・副作用があります。

植毛治療に興味がある場合は、安全性の高さや仕上がりの良さを考えるなら自毛植毛が優位に立ちますが、最終的に決めるのは自分自身です。それぞれの治療効果とリスク・副作用を理解したうえで医師と相談して決めるようにしましょう。

 

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