2回以上自毛植毛することについて

自毛植毛は一回ですべて完結できる手術ですが、複数回受ける方もおられます。しかし、これはポジティブな理由とネガティブな理由の2つがあることをご存じでしょうか。

もっと理想の自分に近づきたい。これはポジティブな理由に大別されます。しかし手術の失敗を取り戻したいというネガティブな理由もあるのです。

前者であれば、特に問題はありません。なぜかというと、一度に完璧を求めるのはリスクも存在するからです。料理で例えるととても分かりやすいと思います。料理の成否をきめる大事な要素に塩加減があると思います。塩は劇的に味が変わるので、初心者ほど入れすぎてしまうものです。しかし、塩分過多は味付けが濃くなりすぎるだけではなく、健康も損ねます。しかし、料理初心者が最初から適度な塩加減など分かるはずもありません。入れすぎるか、少なめに入れるかの2択しかないのです。これの最適解は少なめに入れ、その都度味を確認するです。多少時間と手間がかかりますが、塩を入れすぎて料理を台無しにするよりかはましです。

自毛植毛も同じ事が言えるかと思います。一度に多くの量を植えすぎると、後から気持ちが変わったときの修正は大変です。貴重なドナーが失われる恐れもあります。やはり少し大変にはなりますが、少しずつ行い様子見をするのがいいと思われますが、ケースバイケースでもあるのも事実です。

そのため、こちらも悩んだときは医師に相談するのがおすすめです。

2回以上自毛植毛することをもう少し詳しくご説明しましょう。

2回以上自毛植毛する目的

2回以上自毛植毛する方の目的は前述しましたが2つに分けることができます。
理想とする髪に近づきたいという場合。そして、過去に他院で受けた傷跡を隠したいという場合なのです。

繰り返しますが自毛植毛は2回以上の手術ありきで行うものではないのです。しかし、実際に手術を受け髪が生えそろうと考えも変わります。ここにも増やしたいなどと、さらに若々しい見た目を追求したくなるという方が多いのが現状です。同じ部分にさらに植毛し、ボリュームを出したいという話もよく聞きます。また、別のクリニックで受けた植毛手術の仕上がりに満足できなかったので、修正したいという患者さんもいるのです。

クリニック選びに失敗したということなのですが、失敗を防ぐために、植毛を専門としていない、価格が安すぎる。という2つに当てはまるクリニックは避けたほうが無難です。もちろん失敗は体質によるものだったり理由は様々なので、ここで一概には言えませんが、診察が適当だったり違和感を感じるクリニックは避けたほうが無難でしょう。

自毛植毛は薄毛治療の一つですが、何度も行うことで異なる結果が得られることがあります。このコラムでは、自毛植毛を2回以上行う際のメリット、デメリット、副作用、リスクについて考察します。

複数回の自毛植毛のメリット

複数回の自毛植毛は、さらに密度を増すことができるため、より自然な外見を得ることが可能です。また、初回の植毛でカバーできなかった部分を改善できることもメリットの一つです。

まずは、前の髪の密度に近づけられること。密度がしっかりしていれば、ふわりとなびくボリュームをいとも簡単に出しやすくなります。これは予想以上に全体的な印象が大きく変わります。

また髪が生えている部分への自毛植毛は、髪のない部分に植毛するよりも難易度は上がります。高い技術力と経験が求められます。これは自分一人で決めず、医師としっかり相談して決めてください。いたずらに隙間に埋めすぎるのも頭皮によくありません。バランスが大事なのです。

複数回の自毛植毛のデメリット

デメリットとしては、ドナー領域(毛髪を採取する部分)の毛髪が限られているため、2回目以降の手術では採取できる毛髪が少なくなる可能性があります。また、手術費用が増加する点も考慮する必要があります。

複数回の自毛植毛に伴うリスク

自毛植毛は外科手術であるため、感染や瘢痕のリスクが伴います。複数回行うことでこれらのリスクが増加する可能性があります。

複数回の自毛植毛の副作用

副作用としては、手術部位の腫れや痛み、一時的な髪の脱落があります。これらは通常、一時的なものですが、複数回手術を受けることで体験する可能性が増えます。

 

 

結論:慎重な判断が必要

自毛植毛を複数回行うことは、一定のメリットがありますが、デメリットやリスクも伴います。患者ご自身の状況と期待に応じて、医師と十分に相談し、慎重に決定することが重要です。

より理想を求める場合は2回目以降の手術もありですが、基本は一回で大丈夫です。

自毛植毛はまず移植した髪がしっかりと生着し、生えそろうまでにある程度、期間が必要な手術です。
手術からだいたい半年経つと、移植毛の大半が生え、1年後にはほぼすべての毛髪がある程度の長さに生えそろっています。

そのため、追加で手術する場合も、前回の手術から少なくとも半年~1年以上の期間を空けることが望まれます。

 

 

 

自毛植毛手術後はワックスをつけられるか

このコラムでは専門的な意見だけではなく、自毛植毛に関す素朴な疑問にも答えていきたいと思います。自毛植毛は広く一般に知れ渡っているという知名度ではまだありません。そのため実は間違っているという知識が広まってしまっている点もないわけではありません。もし当コラムによる情報が多くの方の目に留まり、正しい自毛植毛の知識となっていただければ幸いです。

自毛植毛手術後には本来問題ないと思っていたものがだめであったり、反対に難しいと思っていたものが大丈夫だったりすることがあります。これは自毛植毛手術に限らず、全般的な手術にいえることですが、手術前には余計な心配事が少ない方がいいものです。

人間というものは本来の精神状態を維持するにはできるだけリラックスする必要があります。そうでなければ正常な判断ができないばかりか、時として思考が鈍ることにより判断の妨げになってしまうことだってあるのです。

今回のテーマは整髪料についてです。これについてもずっと気になっていたのだが、実際に診察のときには聞くのを忘れてしまったということもあれば、些細なことのようで聞きにくいという人もおりました。このような知識こそ当コラムで補完していただければと思います。

整髪料は大丈夫

自毛植毛は人工毛植毛と違い、自分自身の髪の毛が再び生えてきます。つまりは、整髪料や育毛剤、ヘアトニックをこれまで通り問題なく使えます。
それから、それだけではなくパーマやカラーも使ったヘアスタイルも自由にできるのです。

それはつまり、かつらや増毛、人工毛植毛は、人工的な義髪のため、整髪料もパーマもカラーリングも出来ないということになります。人工的な髪は切れたり折れ曲がれば終わりです。日々のケアもより丁寧にしなければいけません。ということはメンテナンス費用もかさみます。

 

自毛植毛について

自毛植毛後の髪は自然のままの自分の髪の毛です。そのためもちろん、シャンプー、整髪、カット、スタイリング、カラーリングなど普段どおりにできます。
そして術後の違和感や長期の後遺症はなく、定期のメンテナンスもランニングコストもまずかかりません。植毛は、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」に書かれてある通り、AGAへの対策等として効果が認められています。

 

 

自毛植毛について

メリットは様々ありますが、一番の利点は、自分の毛を使うので拒絶反応が極めて起きにくいということです。植えた髪の毛は生涯にわたり自毛として生着します。

そして人工毛やカツラは定期的なメンテナンスが不可欠なのです。しかし、自分の髪の毛を使った植毛はそういうわずらわしいことは不要。このように、しっかり移植した髪は成長します。髪が増える、伸びるという変化を楽しめますし、様々なヘアアレンジなどもできます。言うまでもなく整髪料やカラー剤も使えます。

それから外用薬、内服薬との違いですが、これらを使っても毛根のない場所に毛が生えてくることは絶対にありません。しかし自毛植毛は薄毛の気になる場所ならどんな場所でも毛をしっかり生やすことができます。つまり、事故や病気などで毛根がなくなり悩んでいる方への治療としても選ばれているのです。

カツラや人工毛では無理な自然な仕上がりが自毛植毛の最大のメリットといえます。毛髪は自分のものを移植しているので、髪は他の毛と同様に生えそろいます。もちろん生えた後も他の毛髪と差変わりません。

 

まとめ

整髪料は自毛植毛後であっても問題なく使用できることが分かりました。念のため、術後すぐの使用はおすすめしていません。ケースによりますが、半年から1年ほど待つのが無難でしょう。

 

髪の健康とは何か

髪の健康について

脱毛といえば実はその症状において様々な種類があることをご存知でしょうか。詳細は次回以降の

コラムにおいて記述しますが、この部分の認識を誤ってしまうと、困ることが多いと思うので重大事項を中心に説明いたします。

髪の抜け毛の原因は多くの方が遺伝だと思われているかもしれますが、それは半分正解であり半分は不正解です。なぜでしょうか。脱毛には栄養不足やストレスが原因と言われているものもあるからです。もちろん解明されていない脱毛もありますが、多くは遺伝か栄養不足、ストレスのどれかに分別できます。

じつは髪の毛は頭皮の毛細血管によって栄養が運ばれてきます。

つまりは何らかの原因で血管が詰まったり、栄養が運ばれなくなると、髪は栄養失調状態となり抜け落ちてしまうことになります。つまり普段のきちんとした食生活が髪の毛を丈夫にすることにもつながりますし、極めて大事なことだとわかっていただけるかと思います。

健康を疎かにしては体のあちらこちらで支障が出ます。ということはそれが巡り巡って髪の毛のサイクルにも影響を及ぼしかねないということは考えてみれば当たり前のことなのです。

 

発毛、脱毛について

じつは発毛サイクルを見ると、細胞が盛んに細胞分裂を繰り返し、髪が伸びていく期間は成長期と呼ばれています。そして毛髪の成長速度は1日に0.3〜0.4mm。1か月では1〜2cmほど伸びます。そして毛母細胞には活動できる期間がほぼ決まっているので、細胞分裂が止まると退行期となります。髪が毛母細胞から離れ、それから毛髪が抜けるまでの皮膚が表面に上がってくるのが休止期です。さらに毛髪が抜けて脱落すると再び成長期に移っていきます。

発毛サイクルに関しては期間が長く、1本の寿命は男性が3〜5年です、女性は4〜6年とされています。成長期が2〜5年、退行期と休止期が数か月。つまり成長期が圧倒的に長くなっています。この約10万本といわれている毛髪のうち、なんと90%は成長期にあり、順調に成長していれば発毛サイクルは確保されるというわけです。

それから休止期になって抜け落ちる毛髪の数は平均100本ほど。寝ている時間が1日の3分の8時間と仮定すると、つまりは朝起きたときに枕に30本以上の髪がついていても当たり前の範囲ということができます。

よく創作の作品においては、髪の毛が枕に多くついているから抜け毛が進行しているという表現が見られます。これはほとんどの場合において、正しい知識が前提でない場合は、余計な焦りを生み出してしまう間違った知識であるといえます。なぜでしょうか。

それは上記のように、わずかですが、誰でも髪の毛は自然と抜けるからです。確かにその量が上記よりも大幅に多い場合は問題ですが、そうではない方が多数なわけです。

まずここでしっかりと知っておいてほしいことは、繰り返すようですが、誰でも自然と髪の毛は抜け、また生え変わるということです。この生え変わる毛がいつもと比べて若干多かったからといって、ただちに薄毛が進行していると診断できるかといえば、そうではないというほかないのです。

薄毛が進行しているかどうかは、植毛クリニックの医師でなければ正しい判断ができないのも実情です。これはただ薄毛であるということは素人判断でもできそうなものですが、適切な治療をするとなると、病名を知らないことはリスクでしかありません。CTEにAGA薬を使ってもほとんどの場合、効果が現れないことが多く、貴重な時間を無駄にしてしまう恐れがあります。

 

まとめ

髪の健康や発毛、脱毛について新たに知ったこともあったかと思います。今後も自毛植毛について役に立つ豆知識を掲載していきます。

自毛植毛の注意点

自毛植毛は広く一般の人にも浸透してきております。最近は芸人が植毛後の様子を動画サイトにアップロードし、経過報告しているという点が話題となり、マスコミに取り上げられていました。自毛植毛は自由診療ということもあり、費用も高額になりやすく、その点においては受け入れられないといった方も多かったのですが、拡散力のある方の宣伝などもあり、ここ最近、自毛植毛への評価がいい方向に変わりつつあるといえます。

しかしながら、それに伴い懸念されるのが、間違った知識の広がりです。私どももこうしてコラムなどで正しい自毛植毛の知識について普及活動のようなものをしているのですが、まだまだきちんと知られていないなと思うため、こうして複数回コラムにしています。多少同じような内容になることは避けられないかと思いますので、ご理解いただければと思います。

間違った知識の中でも、とりわけ厄介なのが、自毛植毛を根拠のない疑わしい技術だと思い込まれてしまっているふしがあることです。もちろんこれは一部の方なのですが、SNSが広く普及している現代社会においては、国民全員が発信者であり、間違った情報の拡散力などを侮ってはいけないともおもっております。

まず、自毛植毛は立派な医療技術であり、医師免許を持っている方しかできないということを知っておいていただきたいと思います。つまり植毛をしている医師は、形成外科、皮膚科などの医師であり、医師免許を持っていないことには手術すらできないのです。自毛植毛というのは高度な技術が必要であり、誰でもかれでも素人が簡単にできるようなものではないのだということです。

注意点は他にもありますので、順番にご説明いたします。

髪の毛が半永久的に生え変わる

これは自毛植毛の最大のメリットです。髪の毛は自然に抜け落ちた後も、なんと再び生えてきます。 そして、薄毛の影響を受けにくい後頭部・側頭部の髪の毛をドナーとし移植するので、治療後に脱毛症になり抜け落ちる心配はありません。

拒絶反応がかなり起こりにくい

ご自身の髪を移植します。そのため拒絶反応が起こる心配はありません。さらにダウンタイムがほとんどないので、術後も普段通り生活することができます。

ヘアスタイルも自由

パーマをかけたりヘアカラー、白髪染めをするなど、ヘアスタイルを自由自在に楽しむことが可能です。

メンテナンスの必要がない

これらが使用を止めると症状が進行する内服・外用薬を使った治療や、メンテナンスが必要なカツラ・ウィッグと違います。自毛植毛は移植後のメンテナンスがないのです。そのため一度にかかる費用は高額に見えますが、じつは継続治療の必要がまったくないので、総費用は安く抑えられるケースもあるのです。

自毛植毛のデメリットは

初期費用が高い

じつは自毛植毛は自由診療で外科手術なので、治療費が高額になってしまいます。 けれども先ほどご説明した通り、自毛植毛ではほぼ定期的なメンテナンスや継続治療を行う必要はないのです。内服・外用薬治療や、カツラ・ウィッグにかかる費用に比べると、トータルでは安く抑えられるケースもあります。

効果を感じられるまでに1年ほどかかる

自毛植毛は、基本的には1年という、長い期間をかける薄毛治療です。 施術から1週間ほどで移植毛がきちんと生着し、半年後に発毛します。そして、1年後には十分な長さに生え揃う、という経過をたどるのです。効果をしっかり実感するまで、短くはない治療と言えるでしょう。

まとめ

自毛植毛の注意点がわかって頂けたかと思います。注意点は細かい部分を挙げれば他にもありますので、今後も随時情報発信していこうと思っておりますので、よろしくおねがいします。

 

自毛植毛のリスクとは

自毛植毛にリスクがどれほどあるのか。今回お伝えしますのはこのような内容なのですが、自毛植毛のリスクについての認識は大きく2パターンあります。

一つは過剰に怖がってしまうタイプ。もう一つは全くノーリスクだと思い込んでしまうタイプです。実はこれ、どちらも自毛植毛に対するリスクを正しく認識できているとは言えないのです。

簡単にどうしてか説明します。まずはノーリスクタイプですが、自毛植毛手術は外科手術ですのでまったくのノーリスクということはありません。詳細は以下に説明しますが、外科手術というものはそれがどんな手術であってもリスクというもの存在します。しかし近年は限りなく件数が減ってきている傾向があるというのは言えるかもしれません。けれども0ということはありません。

そして過剰に怖がってしまうタイプですが、こちらも正しい理解とはいえません。自毛植毛はこれまで数多くの人が受けている、実績あるタイプの外科手術です。そのため過剰に怖がってしまうと、せっかく自毛植毛が受けられるタイプなのに、見栄えを改善する機会を逃してしまいます。

自毛植毛は、手術で理想にかなり近づけることも可能です。つまりは他の薄毛治療と比べてもとても優れている点が多くあります。 だが、デメリットや副作用が0ではありません。

もし実際に薄毛治療を始めてから後悔してしまう、そういうことを避けるためにも、副作用・リスクはきちんと知っておく必要があります。

自毛植毛後の副作用について

施術部分の傷や痛みなど

自毛植毛は外科手術です。つまり、移植部分の痛み、傷跡や腫れなどが生じます。ただし、これは半永久的なものではありません。痛みは痛み止め、傷跡は医師の力量によって軽減できます。術式の特性上、どうしても傷が残ることもありますが、これは気になっているということをあらかじめお伝え頂ければ、事前に傷跡ができる部分などを教えることができます。これにより、別の術式にする手術を延期するなどの選択ができることとなります。

まぶたが腫れる

前頭部付近の手術についてのことですが、自毛植毛によってまぶたが腫れる可能性があります。麻酔が原因と言われていますが、あくまでこれは一時的な症状です。たいてい2~3日程度で治まります。それほど留意する必要はないでしょう。

 

仕上がりの違和感

髪の生え方は人ぞれぞれ。しかし、実際に髪の生えている密度や向き、毛の太さ、毛量など、さまざまな要素が絡み合い、その人特有の髪型が形成されます。

自毛植毛は、大体手術から1年ほど時間が経過すると移植毛が十分に生えそろいます。それから多様なヘアスタイルができるようになります。 しかし、手術前に医師と患者の間で仕上がりのイメージに乖離があると、この仕上がりに違和感が生じる可能性もあるのです。

一時的なくせ毛

じつはこれはあまり知られていませんが、植毛の直後に一時的に髪質が変化することで、髪が縮れたりくせ毛になることが実際にあるのです。 毛髪の植え付け時に毛穴が深すぎたり、角度が付いてしまうと、微妙な毛穴のゆがみが発生します。そして、新たな細い毛髪がカールや、縮れ毛のようになるのです。これは高度な技術を持った植毛クリニックでも1~2%の割合で起こるといわれています。

まとめ

傷跡や痛み、仕上がりの違和感などが主なリスクといえます。この中には現代の医療では症状をきちんと抑えられるたりコントロールできているものもあります。

リスクについては診察時などにご質問して頂ければ丁寧に答えることができます。いずれにしても自毛植毛について悩み事があったら、自己解決しようとせず、まずはその道に精通した医師らの意見を聞くことが肝要と思われます。