自毛植毛の手術後はいつから出社できるのか

自毛植毛の手術後にいつから出社できるかというのは、手術をしたことのない方や、初めて植毛のことについあて調べ始めたという方にとっては見当もつかないことだと思います。通常の骨折などの外科手術では、事前に入院し、様々な検査をしたうえで全身麻酔の手術を受けます。この場合は退院まで一週間かかかるということはざらです。

とりわけ自毛植毛は頭の手術なので、しばらく安静が必要だったり、頭が動かせなかったりするのではないか。という疑念もわきます。しかし自毛植毛手術は脳ではなく、あくまで頭皮の毛根を採取し植える手術。「長期間安静にする必要まではないのかな」などと思うとも思います。

また手術後の仕事復帰の仕方についても疑問はつきません。肉体労働をしている場合はどうするのか。手術をしたということが多くの人にばれるのではないか。などと想像することでしょう。

そのため今回は自毛植毛の手術後はいつから出社できるのかというテーマについてお話します。

ただ注意点としてこれはあくまで一般的な話で、万人に共通するとは必ずしも言えない点にご注意ください。

仕事復帰自体は早い

思った以上に早く仕事には復帰できます。じつは手術後は、かさぶたとなる状態がほぼ2週間ほど続きます。このとき血流が激しくなる仕事や運動を行すると、かなり回復が遅くなります。つまり 肉体労働や力仕事をメインでしている人は、このように最低でも術後1週間はお休みするべきです。

そして、デスクワーク中心でほとんど体を動かすことのない仕事だった場合、なんと早ければ術後翌日をめどに復帰可能なのです。 つまりは術後にとにかく早く職場復帰したいそういう人には、手術の形跡も分かりにくい手術がありますので、こちらをすすめます。

早期の職場復帰は手術法による

仕事復帰は植毛手術の術式で異なります。それはこういうことです。回復期間や体への負担、これがどちらの術式を選ぶかで異なるからです。簡単に説明します。 植毛手術を2つに分けると、メスを使う「FUSS法」とメスを使わない「FUE法」の2つになります。 FUE法はパンチで毛根ごと髪の毛を採取。それを植え付けます。そのため痛みの度合いはかなり少ないと言えます。出血はします。しかし大量ではありません。予想以上に早期の復帰が可能なのです。FUSS法は一回で広範囲に一気に植毛できます。しかしメスで頭皮を大きく切り取るのである程度の出血も伴います。そうです。術後10日前後は、それなりの痛みに耐えなければなりません。 そのためFUSS法は早期の職場復帰はかなり難しいでしょう。

手術後に極力避けてほしいこと

早期復帰のためにこちらは絶対に守ってください。アルコールとニコチン、タールは全部体に悪いので禁止されます。それから激しい運動は控えましょう。なぜかというと閉じかけていた傷口が開く可能性があるからです。

そして、当たり前ですがかさぶたがはがれ行為はもちろん控えましょう。治りかけはかゆみを発症します。ここが手術後、最も辛い時期です。 睡眠中に無意識的にかいてしまう人もいます。ぐっと我慢して下さい。せっかくの手術が無駄になってしまいます。

職場復帰について

かさぶたがきちんと取れるまで10日~1週間はみましょう。このとき 許されるならニット帽を被る、タオルを巻くという方法が良いです。ちなみにかつらを使用してもまったく問題ありません。

まとめ

手術自体は局所麻酔で行われるので事前の入院も必要ございません。思った以上に気軽に手術が受けれると思って頂いてよいでしょう。安静についても過度に心配しすぎる必要はありません。傷口が開かない程度に安静にしてください。

自毛植毛は頭皮を切るのか?

最近自毛植毛手術が昔に比べ一般的になってきたと感じることがあります。ひと昔前は植毛手術と聞いてもピンとくる人があまりおらず、薄毛の方でさえその効果に懐疑的でした。しかし、近年は有名人の方も積極的に植毛手術を受けたことを公表していたり、またその手術法を紹介していることもあって多くの方に植毛とはどういうものか、ある程度は認識されてきたかと思います。

しかし、どういう手術なのかと聞かれてすぐに答えられる人はまだまだ少ない印象です。植毛は自分自身の髪の毛を毛根ごと採取し、髪が生えていない頭頂部などに植える手術。高度な技術が必要とされる外科手術です。このとき毛根はどのように採取するのでしょうか。メスを使って頭皮ごと採取するのか、はさみのようなもので切り取るのか、あるいはそのまま引っこ抜くのか。まだこの部分についてはあまり知られていないと思います。

最近の植毛事情と併せて解説します。

自毛植毛

じつはこれまでの自毛植毛は、ほとんどメスを使うFUSS法がかなり一般的でした。けれども現在、体への負担が極めて少ない手術が求められる日本では、メスを使わないFUE法が主流です。術式はFUSS法とFUE法の2つに分けることができるといっていいでしょう。

FUSS(FUT)法

こちらは頭皮を切る手術です。メスを使い頭皮を部分的に切り取り、株分け後に薄毛部分にしっかりと移植する方法です。頭皮を薄く切除します。前時代の術式と比較すれば身体へのダメージはかなり軽減されるようになったのです。けれども、結局メスを使って皮膚を大きく切るので、傷跡はしっかりと残ります。つまるところ 1回の手術で移植できる株数には限界があるということです。そして、密度をより濃く実現させるためには、複数回の手術が必要だったりと、デメリットがあります。 さらに術後の痛みもかなり強く出ることがあります。

FUE法

1mm程度のパンチを使います。つまり頭皮からドナーを1毛穴単位でくり抜き、移植する方法です。 傷跡は直径1mm未満と小さくできるようになりました。こちらはFUSS法に比べ痛みも軽減されています。そして採取でできた傷痕も数日で自然治癒されます。結果的に頭皮のダメージを最小限に抑えることが出来ます。現在は自毛植毛で日本では最も選ばれていると言われています。

こちらですと、若干傷跡はつきますが、メスを使わないので、頭皮を切るよりはダメージが少なくすみます。アスク井上クリニックでは、i-SAFEがこれにあたります。

 

選び方

簡単です。一度に広い範囲に移植したいとお考えであればFUSS法。目立つ傷跡の有無や体への負担か小さいほうがいいと考えるのならFUE法です。ただ医療技術が進歩することでFUE法を選ぶ方が増えているのが現状です。

そして、社会復帰が比較的早いのもFUE法です。つまりあまり体を動かさない仕事でならば、手術をした次の日から、もう職場復帰が可能なのです。それだけではなく、植毛手術を実施したことを隠すことも実質的には可能です。 しかしFUSS法は職場の第一線からの離脱は避けられないと知りましょう。

まとめ

本当に一度に大量の植毛をしたい。そういう方はFUSS法を選択すると思いますが、今は大多数の方がFUE法を選ぶでしょう。というのもFUSS法はやはりひと昔前の技術との感じがぬぐえません。確かに効率だけを求めるならばFUSS法のほうが良いでしょう。

しかし、体への影響やその後の職場復帰を考えると、FUE法のメリットが大きいのも事実です。

まずは植毛クリニックの医師に相談し、最適な手術法を選択しましょう。双方にメリット、デメリットがあることを認識することが大切です。

 

自毛植毛を実感するまで

自毛植毛を今すぐ始めたいと思った方には朗報ではないかもしれませんが、自毛植毛というのはカツラなどと違い、植毛したその日からフサフサデビューできるというわけではないのです。髪の毛を植えてからきちんと生えそろうまでは数か月~1年の月日を要します。そのため自毛植毛を受ける前には、いつ頃までに生え揃えたいかなどをきちんと考えておく必要があります。

ただこの知識も誰でももっているという類のものではありません。一般的には知られていないことだと思いますので、コラムに記したいと思いました。

じつは自毛植毛は髪の毛をいつも作り出す細胞を皮下組織ごと取り出して移植します。これら移植部は4ヶ月~半年ほど経過したときに、自分の髪がしっかりと生えてくるのです。

そしてこの移植する毛髪は、極めて脱毛症にかかりにくい後頭部や側頭部の毛髪です。そうです。じつはこの部分は生涯に渡りしっかりと髪が生え変わります。 この自毛植毛は外科手術です。術後は体に色々な変化が起こることもゼロではありません。このようなことは手術ではどれも避けられないことです。

具体的な変化として、一時的な腫れやむくみや痒み。そして、ショックロスと呼ぶ一時的な毛の脱落などがあるのです。 これら移植部にきちんと毛髪がしっかりと生えそろうまでには、じつは8ヶ月から1年というかなり長い時間がかかります。

移植後

まず、移植した毛包ですが、一週間弱でほとんど定着します。ここから血流が再開、そして移植した髪はほとんどが一時的になんと脱落します。これは正常な反応なのです。ここから 髪が脱落しても、実は定着した皮下組織の中では新しい毛髪がもう作られ始めています。それから髪が定着します。そして移植した毛以外、周辺の髪がこのように一時的に脱落する、ショックロスという症状もじつはまれに起こります。これは認識しておく必要があります。原因はまだ特定されていませんが、髪の毛は戻るので大丈夫です。

つまり移植した毛髪と同様に、またしっかりと生えてきます。安心してください。それからしばらくすると、部位の腫れや感覚的な違和感もほぼ感じられなくなります。頭皮はここから移植毛が抜け、かなり安定します。

3-5か月

そして、少しずつ発毛が始まります。もちろん最初からふさふさではなく産毛のような細い髪の毛です。成長していくに従い、他の髪の毛と同様長く伸びます。

6-8か月

ここまでくると移植した毛髪が、7割方生えそろいます。改善が実感できる時期なので、植毛した実感と満足感もわいてくると思われます。

1年後

ようやく移植した髪が発毛し終えます。つまりどういうことかというと、この時期までくるとほとんど薄毛という感じはなくなるといってよいでしょう。様々なヘアスタイルが自由自在に楽しめるようになってきます。手術の効果をしっかり実感できます。

効果をより高めるには

健康的なドナーを採取ししっかりと頭皮に移植する。これが何よりも重要なのです。医師と看護師、スタッフらの連携が取れている手術とそうではない手術では、予もかなり違うということが分かると思われます。

 

まとめ

自分の髪の毛がしっかりと生えそろうまでには、それなりの時間がかかるということが分かって頂けたと思います。中には、このことをよく知らず、ショックロスでパニックになり、大慌てでクリニックに駆け込む人もいます。困ったときはクリニックを頼るべきなので、この行動は間違ったものではありませんが、事前知識があると動揺も最小限に抑えられるかと思われます。

実際に植毛が必要な時期などを逆算し、手術に臨むべきでしょう。まずは植毛クリニックのドクターに相談してみるのが得策でしょう。