自毛植毛手術は全世界でポピュラーな手術法であり、大勢の方が既に施術を受け、効果を実感しています。自毛植毛手術を行えば、自分の髪が生える。という忘れかけていた感覚を取り戻すことができます。
それはなぜか。自毛植毛は他の施術とは根本的に異なるからです。自毛植毛は髪が生えなくなったところを薬などでどうにかするのではなく、自分の毛髪をいわば毛根ごと移植する手術。つまり髪の表面ではなく、根本からごっそり移植するため、新しいサイクルが生まれます。既に髪の毛が生えなくなった部分から、再び、髪の毛が生え変わるようになるというわけです。
さて、手術の失敗ですが、重篤な症状が発生したり、手術をしたのに改善がまったく見られない、などが挙げられます。実は自毛植毛の手術では、自分の自毛を使った植毛手術のおかげなのか拒絶反応が起こることはまずないと言えます。まったくの失敗というケースはほとんどないと言えるでしょう。
しかし、そうはいっても自毛植毛も歴とした医療行為です。世の中にあるすべての手術と同じように、100%の成功などは確約できません。また、手術が成功したとしても、患者さんのケアの仕方によっては、効果が見られなくなるということもあります。様々なケースがありますので見ていきましょう。
目次
失敗例について
傷跡が目立つ
自毛植毛自体は成功しても、傷跡が目立ちすぎると患者さんに失敗だと思われることもあります。メスを使った手術法のFUSS法は、毛髪を皮膚ごと切り取りますので、そのようなことが起こりえます。しかし、当院でメインで行っているFUE法であれば、メスを使わないので、そういったことは起こりにくいといえます。
ただ、毛髪の株を採取するためパンチを使うので、正確には直径1mm程度の傷跡が散在することになります。
髪が生着しない
自毛植毛は毛根を移植する手術法です。ということは頭皮から毛根に血が通っていない時間というものがあります。採取したときです。このときは毛根への栄養が止まってしまっています。この時間があまりに長すぎると、細胞がダメージを受け、生着率はとても悪くなります。
治療後にまったく頭皮のケアを行っていない場合も、これは生着率を下げる要因となります。生着した毛根部分は、とても敏感なのです。きちんと正しいケアを行わなければ、じつは元気だった毛髪にまでかなりの悪影響を起こしかねないのです。
仕上がりの不自然さ
自毛植毛で最も大切なものは生着率だけではありません。言われて気づく方が多いのですが、最も大切なことの一つにデザインがあります。どんなに髪を植えても、それが不自然な方向に生えていたら、見た目も悪いですし、違和感がどうしてもあるので、自毛植毛した意味が半減しかねません。
つまり、せっかく手術を受けても、他の髪の毛との周囲のバランスが悪い、かなり毛量が多すぎる、または少なすぎる、密度が明らかに偏っているなどがあれば仕上がりはよくなく、本末転倒です。見た目も美しく整える必要があるということです。
ショックロスについて
これは誤解も多くあるので、次回またきちんと説明します。ここでは概要をざっくり説明致します。自毛植毛手術から1~4ヶ月後、なんともともと生えいてた髪の毛が脱落することがあります。約20%の方に起こると言われている現象です。 原因ははっきりと特定されておりませんが、心配はありません。
ショックロスは一時的な副作用です。半年ほど経過すると、目立たなくなります。決して失敗ではないのです。
まとめ
自毛植毛が成功かどうかは、医師でさえすぐには判断できません。半年から一年は様子を見て、順調であれば問題ないという判断になります。この間の自己ケアも大切です。
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