紫外線

紫外線とは、太陽から放出される太陽光線の成分のひとつ。肉眼では見ることが出来ない「不可視光線」です。紫外線は、可視光線(目に見える光線)よりも波長が短く、またX線より長い電磁波。 地球の表面に届く太陽光線全体の中の約6%ほどと言われています。
可視光線は「赤」「橙」「黄」「緑」「青」「藍」「紫」の7色で構成。いわゆる「虹色」です。紫外線は、この光線の中で紫の外側に位置しています。
赤外線が熱的な作用を及ぼすことが多いのに対して、紫外線は殺菌作用や日焼けなどの化学変化の作用が大きいのが特徴です。

太陽の光には、目に見える光(可視光線)と、目に見えない赤外線、紫外線とがあります。紫外線は、その中で最も波長の短い光で、波長によってUVA、UVB、UVCにわかれますが、実際に地表に届くのは、そのうちUVAとUVBです。

UVAの肌への影響

UVAは、肌に急激な障害を与える作用は弱いのですが、太陽から届く紫外線の約9割を占め、肌に蓄積的なダメージを与えます。肌の奥の真皮にまで侵入し、肌のハリや弾力を失わせて光老化を引き起こす原因になるのです。また、すでにできているメラニン色素を酸化させ、肌を黒くさせる作用もあります。

UVBの肌への影響

UVBは、太陽から届く紫外線の約1割と量は少ないのですが、肌への作用が強いため、短時間でも肌が赤くなるサンバーン(日やけによる炎症反応)や、数日後に肌が黒くなるサンタン(色素沈着反応)を引き起こす作用があります。波長が短いUVBは、炎症やしみの原因となるだけでなく、肌表面の表皮細胞やDNAを傷つけるなど、生体への影響が強いのです。

紫外線による色素沈着

紫外線の刺激により、メラノサイト(メラニン色素産生細胞)へ指令が届き、メラニン色素が生成されます。メラニン色素はメラノサイトから表皮の細胞に受け渡されてまわりの皮膚へと広がり、紫外線を吸収して肌を守ります。しかし、強い紫外線を浴びるとメラニン色素が過剰に生成され、しみやソバカスの原因となります。

紫外線による老化

紫外線を長年にわたって浴びることで、しみやシワ、弾力の低下といった肌の老化を促進し、さらには皮膚がんを誘発する原因になることがあります。加齢にともなう老化と比べ、UVAがもたらす光老化は、硬くゴワゴワした肌に深いシワが刻まれるのが特徴です。ヒマラヤやネパールなどの高地に住む人たちは紫外線の影響を受けやすく、20代からこの症状があらわれることもあります。

また、年齢を重ねた肌ほど抵抗力が弱くなるため、UVAによって肌細胞の老化が起きやすくなることも、コーセーの研究によって明らかになっています。つまり、加齢とともに、より紫外線への注意が必要になってくるのです。

季節で変わる紫外線

紫外線は夏に強く、冬には弱まりますが、これは、紫外線が大気層(オゾンなど)を通過する距離と関係があります。例えば日本の場合、太陽が最も近づく夏至の頃は、紫外線が大気層を通過する距離が短いため、強い紫外線のまま頭上に降り注ぎます。反対に、太陽が最も遠ざかる冬至の頃は、紫外線が大気層を通過する距離が長くなるため紫外線も弱まります。UVBは夏に比べ冬はおよそ5分の1にまで減るのに対し、UVAは夏に比べ冬は2分の1程度と変動量が少ないため、冬でも十分な紫外線ケアが必要です。

日焼け止めの使い方

紫外線から肌を守るには日やけ止めが有効です。日やけ止めは、使用量を守って、塗り忘れのないように使いましょう。ムラなく十分な量を塗るためには重ね塗りがおすすめです。特に、おでこや鼻筋、頬など、顔の中で高さのある部分はやけやすいので、重ねて丁寧に塗りましょう。また、日やけ止めは必ず2~3時間ごとに塗り直すようにしましょう。

 

 

 

キューティクル

キューティクルとは?

毛髪の表面にある毛小皮のことでウロコ状に覆っている細胞のことをいいます。ウロコ状になっているのは、髪の内側にある水分や栄養素が外に流れないように防ぐ役目を持つためです。このキューティクルに傷が付くと剥がれてしまい乾燥やパサつきや、切れ毛、の原因となります。

キューティクルは3つの層≪エピキューティクル(表小皮)、エキゾキューティクル(外小皮)、エンドキューティクル(内小皮)≫に分かれています。

髪の艶としてみえるキューティクル

cutecleキューティクル(毛小皮:毛表皮)は、毛髪の表面をおおっている部分。外部の刺激から毛髪内部を守り、コルテックスのタンパク質や水分が失われないように働くと同時に、髪につやを与えています。

根もとから毛先に向かってウロコ状(紋理)に重なり合い、1枚の細胞は非常に薄く、通常6~8枚が密着した層をなしています。健康な髪は、紋理が規則的に整った波状をしていますが、傷んだ髪は乱れています。

主成分は、イオウ含有量の多いケラチン(硬質タンパク質)で、色は無色透明。硬い反面、もろくて摩擦に弱いため、無理なブラッシングや乱暴なシャンプーによって傷ついたり、はがれやすくなったりするのです。

キューティクルの弱点は・・

キューティクルはうろこ状のため、無理にドライヤーを当てると、表面を傷つけてしまいます。また乱暴なブラッシングは摩擦で静電気を起こしやすくしてしまい、キューティクルを剥がす原因になるため注意が必要です。

キューティクルは紫外線に弱い
キューティクルの弱点の一つは紫外線!長い時間にわたって紫外線を受けているとキューティクルが剥がれやすくなってしまいます。紫外線の強い夏のシーズンの外出ときには、注意しなければなりません。

パーマやカラーリングも傷つける要因!
カラーリングやパーマはキューティクルを開かせ、薬剤を浸透させるためキューティクルは剥がれやすい状態になります。繰り返し行うと最終的に完全に剥がれてしまい保護できない状態になってしまうことも…!

キューティクルが開くとどんな状態になる?
キューティクルのうろこ部分が開いてしまった状態になると、髪が絡まりやすくなり、指通りが悪くなってしまいます。また髪の毛のツヤもなくなってしまい、パサついた状態に。こんな症状が出はじめると黄色信号です!

キューティクルが開いた状態からは、まだ修復見込みがあります!トリートメントを使って栄養補給させ、キューティクルを閉じさせることが大切です。自宅での毎日のケアを怠らないように努めましょう。しかしながら、剥がれ落ちてしまうと再び元の健康な状態に復活させる方法はありません。剥がれ落ちてしまった部分を切り落とし、新しい健康な髪が生えてくるのを待つしかないのです。

キューティクルを再生するヘアケア法

トリートメントで髪に栄養成分投与して補修
トリートメントは、髪の内部に必要な栄養成分を与えて補修してくれると同時に、髪の表面も保護してくれる役割が期待できます。トリートメントを付ける際に、頭皮もマッサージしてあげるとなお良いでしょう。

お風呂から出たらなるべく早く乾かすこと
キューティクルは湿度が高いときや濡れているときに開きやすい性質を持っています。開いた状態でいると髪が絡まりやすくなってしまいキューティクルが剥がれる原因にもなるため、早めに乾かすよう心掛けましょう。

オイルでしっかりと保湿すること
お風呂上りに髪の毛にオイルをつけて外側からキューティクルを保護してあげることも重要です。いろいろなオイルがありますが、なるべく髪に優しい自然派のもので、ライトなベタつきにくいオイルを選ぶようにしましょう。

ヘアアイロンに使い方にも注意しよう
キューティクルは、頭皮の方から下向きです。そのためヘアアイロンを使用するときは、根元から毛先方向へ向かって使用します。これを逆さにして使うとキューティクルが剥がれ落ちる原因となるため注意しましょう。

産後脱毛症

産後脱毛症とは? 

女性に特有の脱毛症。別名、分娩後脱毛症とも言いいます。
出産を終えて2~3ヶ月後の時期を迎えた女性は、「ホルモンバランス」と「毛髪サイクル」、「激変する生活」の3つが関係し、急に抜け毛が増加してしまうことがあります。あくまでも一時的な症状であり、半年以上経過すると自然に収まっていきます。

妊娠中は女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)が増えることで、髪の毛が抜けにくくなるとされています。実際、妊娠中は髪の毛や体毛が増えて毛深くなったという妊婦さんもいます。
しかし、赤ちゃんを産むと女性ホルモンが急激に減少し、妊娠中に抜けなかった髪が一気に抜けてしまうのです。
また女性ホルモン以外にも、慣れない子育てへのストレスや、赤ちゃんのお世話による睡眠不足、不規則な食事なども産後の抜け毛の原因になりえます。なかには、抜け毛によるストレスでさらに抜け毛が進む…という悪循環に陥ってしまう人もいるようです。
髪の毛は、基本的には次のようなサイクルで生える、抜けるを繰り返します。

● 成長期(髪の毛が生える時期):3〜7年間
● 退行期(髪の毛が抜ける時期):2~3週間
● 休止期(髪の毛が生えるまでの休みの時期):約3ヶ月間

産後の抜け毛の場合、多くの髪の毛が一気に退行期を迎えて抜けてしまい、休止期に入ると考えられます。一時的に髪が少なく、薄くなってしまうのはそのせいです。

その後、3ヶ月ほど経つと休止期が終わって再び成長期に入り、髪がだんだんと生え始めて量も改善されていきます。

しかし産後の抜け毛の原因である女性ホルモンの分泌量や生活習慣には個人差があるため、抜け毛が起きる期間がいつからいつまでなのかという点については、人によって異なります。

一般的には、産後すぐから抜け毛が見られ、産後6ヶ月頃、遅くとも産後1年で戻ることが多いようです。
産後の抜け毛は、生理的なことだと考えれば特に心配する必要はありません。ただ、あまり抜け毛を放っておいても、ストレスが溜まってしまいますよね。そこで、少しでも早く回復したいという人は、次のような抜け毛対策を心がけましょう。

● 規則正しい生活をしてリズムを整える
● 質のよい睡眠を多く取る
● ストレスを溜めない
● ストレッチなど、適度な運動をする

抜け毛予防に効果的な食材を栄養素別にご紹介します。忙しいかもしれませんが、これらをちょっと意識して食べることで、抜け毛の量を減らしたり、予防したりできるかもしれませんよ。

タンパク質
髪の毛の99%はタンパク質で構成されています。そのため、タンパク質が多く含まれている大豆や肉、卵などを積極的に摂りましょう。

大豆イソフラボン
大豆に含まれているイソフラボンは女性ホルモンに似た働きをし、髪の毛の成長を促すと考えられています。

大豆イソフラボンの1日の摂取目安量の上限は、70~75mgで、納豆1パック分ほどです。いつもの朝食に納豆を1つ追加するだけで手軽に摂取できますよ。

ビタミンB2
豚肉やレバー、サンマなどに多く含まれているビタミンB2は、新陳代謝を活発にし、健康な髪や皮膚などを作ったり、成長を促したりする栄養素です。ビタミンB2は熱に強い性質があるので、炒め物や煮物などで摂取するのがいいですね。

ミネラル(亜鉛、鉄)
昔からわかめやひじきは髪にいいと言われますが、これらにはミネラルが豊富に含まれています。また貝類には亜鉛が、ホウレン草やレバーなどには鉄が含まれており、健康的な髪を育ててくれる働きがあるとされています。

産後の抜け毛にショックを受けるのは仕方のないことですが、楽しく育児をするためにも、あまり考えすぎず、自然に改善されるまで待つことが大切です。

無毛症

無毛症とは?

スキンヘッドの男性のイラスト毛髪がまったく生えてこない遺伝性の病気は無毛症と呼ばれる。また、ごく少量の毛髪のみが生え、完全に生えそろわない症状においては乏毛症と呼ばれる場合もある。無毛症に類似した言葉で脱毛症というものがあるが、これは後天的な要因により毛髪が抜け落ちる病気である。よって、無毛症と脱毛症は異なる病気であることをよく理解したい。

先天性の場合が多く、遺伝子異常を原因として発症することがある。また、無毛症は、毛以外の組織にも歯や爪などにも同時に異常がみられる疾患と関連して発症することもありえる。そのほか、男性ホルモンの働きが異常を示し、思春期に生えるべき陰毛が正常に生えないことで生じる無毛症も存在する。

病気の特質としては、生まれつき毛髪がみられない、または毛が生えた状態で産まれてきても生後数ヶ月以内、あるいは1~2年以内にすべての毛髪が抜け落ちてしまい、そのまま生えてこなくなる、というものである。

そのほか、毛の生え方以外にも、歯の形や生え方、爪の形状に異常を示すこともあれば、精神発達に遅れがみられることもある。実際にどのような経過をたどるのかは、原因によってさまざまである。

原因についてはまだ解明が進んでいないが、遺伝による影響が強いものとみなされている。
後天性の場合は、ホルモンの極端な乱れや放射線、あるいは皮下脂肪型の肥満等が原因となることがある。

有効な治療法などは確立されていないが、専門医を探して精密な検査を受けた上で、長期的な対策を相談していくことが求められる。現在、日常生活を送るにおいては、かつら等の活用が有効である。

 

 

多毛症

多毛症とは、毛が多く増えているようにみえる状態です。

一言で多毛症といっても、医学的にはいくつかの概念が含まれています。たとえば、胸や腕、口回りなど、通常でも毛がみられる部位において、年齢や性別の正常範囲を超えて毛が増えてみえる状態を指すことがあります(無性毛型多毛症)。その一方、女性において男性ホルモンの影響が色濃く出てしまい、男性のような毛の分布になってしまう状態を指すこともあります(男性型多毛症)。

多毛症は、体質的な要因で発症することがある一方、卵巣の異常、薬物の影響などが原因となって発症していることもあります。原因に病気が潜んでいる場合には、治すことが重要になってきます。

原因
原因はさまざまですが、生まれ持った体質が関連していることが多いです。

毛の発育は、男性ホルモンの影響が強く反映されるため、身体の中で病的に男性ホルモンが増える状態でも多毛症になります。

男性ホルモンの産生を過剰にする可能性のある病気として、多嚢胞性卵巣症候群、クッシング症候群、先天性副腎過形成、副腎腫瘍などを例として挙げることができます。また、薬剤(ステロイドや黄体ホルモン剤など)の影響を強く受けることもあります。

症状
多毛症は、もともと毛が生えている部位の毛が過剰になってしまうことがあります。さらに、女性が男性のような毛が生えてくることもあります。そのため、女性でも口まわりにヒゲや明らかな胸毛がみられるようになります。手や足の毛も男性のように濃くなり、陰毛の生え方も男性のように変化します。

女性における多毛症では、男性ホルモンの影響からさまざまな症状がでます。たとえば、声が低くなったり、脱毛がみられたりします。また、ニキビが増える、胸が小さくなる、筋肉が増える、陰核いんかくが大きくなる、などといった症状がみられる可能性もあります。生理不順に陥ることもあります。
そのほか、原因疾患によっては、肥満、高血圧、糖尿病、頭痛などさまざまな症状を随伴する可能性があります。

また、女性の場合は特に、多毛症を抱えることで精神的なストレスを感じることがあります。多毛症そのもので直接的に健康被害をもたらすことはありませんが、美容的な観点を考慮することは、精神的に健康な生活を送るためにも重要な点であるといえます。

治療

多毛症はまず婦人科・美容皮膚科・泌尿器科でホルモン検査を行い、特発性でない場合は原因である病気を特定するため専門の科でさらに検査を行います。

特発性多毛症やPCOSが原因である多毛症の場合は、まず食生活の改善と運動習慣を身につけるなど、ライフスタイルの改善で多毛の原因であるホルモンバランスの乱れを整えます。

症状によって、医師の判断で薬物療法や外科的治療も行う場合もありますし、多毛症の原因がなんらかの病気の場合はその治療を行います。
多毛症はなんらかの病気のサインの可能性もあるため、早急に婦人科か皮膚科、または泌尿器科などの医療機関で検査を受けることをおすすめします。

 

ユーメラニン

ユーメラニンとは?

体内で多く生成される色素「メラニン」の一種。
真性メラニンと呼ばれることもある。また、単に「メラニン」と書いてある場合はこのユーメラニンを意図していることも少なくない。

頭髪のメラニンは毛穴のメラノサイトで作られている。メラノサイトとはメラニンを産生する細胞のことである。メラニンはメラノソームという袋状の細胞小器官の中で生成され、メラノソームはメラノサイト内でのみ形成される。ユーメラニンは頭髪の色を黒色や褐色に変える性質を持っている。しかし加齢とともに減少する傾向があるため、ユーメラニンが減ることで白髪が増えると考えられている。

人種によってユーメラニンの含有量は異なるが、黒人がもつメラニンのほとんどがユーメラニンである。また、日本人の頭髪にも非常に多く含まれている。もっとも日本人同士で比較しても、その量にはかなりの個人差がある。

メラニンは、日常の思わぬ点で私たちを支えている。紫外線(UV)を浴びると、メラノサイトが一時的に、過剰にメラニン色素を生成する。なぜメラニン色素は生成されるのか。メラニン色素がなければ、皮膚の奥深くまで紫外線が入り込み、紫外線を少量浴びただけで、水ぶくれや炎症を起こすようになるからである。また、紫外線によってDNAを破壊され、皮膚癌などをひきおこしてしまう場合もある。メラニン色素は私たちの体を紫外線から守るという大切な働きをしているのである。

しかし、メラニンには欠点も存在する。先述のように、ユーメラニンの減少により毛髪の色が白く変化してしまうのだ。メラノサイトの働きが悪くなる原因は、過度のストレスやバランスの悪い食生活、睡眠不足などの悪い生活習慣であると言われている。健全な生活を送ることは、メラニン減少の抑制のみならず、心身の健康にもつながるであろう。

このように、メラニンはさまざまな立場・役割を通して私たちと深い関わりをもっているのである。
肩を組む世界の子供たちのイラスト

ポラリス

ポラリスとは?

男性型脱毛症(AGA)の治療薬の一種。アメリカの同名の製薬会社が生産・販売を行っている。

ミノキシジルの含有量では、他の薬と比べて特に優れているわけではないが、患部に塗布して使用するため効果を引き出しやすいという特徴がある。もちろん、抜け毛を克服したい箇所がある場合にも有効である。
ただし皮膚の炎症などが起こった場合には注意が必要となる。もともと副作用が多い薬ではないが、頭皮のかゆみやかぶれ、また低血圧などが若干報告されている。

最近は、ミノキシジルをはじめとした有効成分の含有量が異なる商品が数種類発売されており、利用者にはその点に配慮しながら購入品を選ぶ姿勢が求められる。

ポラリスの語源

バイエル名はα星。フラムスティード名でも「こぐま座1番星」、「プトレマイオスの星表」でも「ティコの星表」でも、それぞれこぐま座の最初に掲げられていた。

ポラリスは、北極距離が2000年分点で約44分と天の北極に非常に近い位置にあり、最も天の北極に近付く2102年の前後数世紀間は北極星となっている。

特徴

ポラリスは三重連星で、黄色輝巨星(または超巨星)でケフェイド変光星でもあるポラリスAと、薄黄色の主系列星であるポラリスBとが約2400au離れて回り合う実視連星となっている。ポラリスBは中口径の望遠鏡でも見ることができ、1780年にウィリアム・ハーシェルによって発見された。

1929年に分光観測によって、ポラリスAにもう1つ非常に距離の近い伴星(ポラリスPポラリスaポラリスAbなどと呼ばれる)が存在することが明らかになった。2006年1月にアメリカ航空宇宙局はハッブル宇宙望遠鏡でポラリスを撮影し、3つ全ての星を直接撮影することに成功した。ポラリスAに近い方の伴星は主星であるポラリスAからの距離が17auしか離れていないため、主星の光に埋もれてほとんど見ることができない[9]

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したポラリス

ポラリスAbはポラリスAのすぐ近くを公転する矮星である。最近の観測で、ポラリスはA, F型の恒星からなる集中度の低い散開星団の一部である可能性も示唆されている。

ポラリスAは古典的な種族Iのケフェイド変光星である(銀緯が高いため、かつては種族IIであると考えられたこともあった)。ケフェイド変光星は距離測定の標準光源として用いることができる重要な天体であるため、地球から最も近いケフェイドであるポラリスは詳しく研究されている。1900年頃の観測では、ポラリスは約3.97日の周期で平均光度から約±8%の振幅で変光していた。しかし20世紀半ばになるとこの星の変光の幅は急速に減少した。1990年代半ばには変光幅は1%にまで減少し、現在も低い水準が続いている。またこの約100年間で平均光度は約15%明るくなり、変光周期は1年に約8秒の割合で延びている。

名称

固有名のポラリス (Polaris) は、ラテン語で「極の」を意味する言葉で、近世になってこの星が天の北極に最も近くなったことから名付けられた。2016年6月30日に国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、Polaris をこぐま座α星Aの固有名として正式に承認した。

ポラリスは肉眼で確認しやすい星の中で最も天の北極に近いため、16世紀頃から北極星として機能しており「極の星」や「北の星」という意味合いの名前で呼ばれていた。以後、世界各国では自国語で「北極星」という意味合いの名前で呼ばれることがほとんどである。英語でも The North StarThe Pole StarThe Polar Starなどと呼ばれるが、英語圏では近年、固有名の Polaris で呼ばれるようになってきている。

その他、ナヴィガトリア (Navigatoria)、ギリシア語起源のキノスラ (Cynosura)、フォエニケ (Phoenice)、アラビア語起源のアルルカバ (Alruccabah) などと呼ばれていた。キノスラはギリシア語で「犬の尾」を意味する言葉に由来し、17〜18世紀の天文書にしばしば登場する名前だが、今日では完全に忘れ去られている。アルルカバは「(大熊の)膝」を意味する al-rukba というアラビア語に由来し、これは元々おおぐま座θ星を指す言葉が誤ってこの星に使われるようになったものである[7]

昔の中国での名称

天の北極付近にある勾陳(こうちん)という星座の1星であり、勾陳第一星(勾陳一)とか勾陳大星と呼ばれていた。中国の天文学において、この星は何の変哲もないその他大勢の星の一つに過ぎず、全く注目されていなかった。日本の天文暦学者・渋川春海の星図では北極という星座の第五星・天枢と同定される。ただし、春海は独自に観測して星図を作成しているので、中国本土の伝統的な星の同定とは異なる場合もある。

日本での名称

日本各地でさまざまに呼ばれた。

  • キタノオオボシ(北の大星)
  • キタノヒトツボシ(北の一つ星)
  • キタノホシ(北の星)
  • キタノミョウジン(北の明神)
  • キタノミョウジョウ(北の明星)
  • キタボシ(北星)
  • シンボシ(芯星):回転の心棒
  • ネノホシ(子の星):方角、北に当たる
  • ヒトツボシ(一つ星)
  • ホウガクボシ(方角星)
  • ホクシン(北辰)
  • ホッキョクサマ(北極様)
  • ミョウケン(妙見)
  • メアテボシ(目当て星)
  • ニヌファブシ(子の方星)- 沖縄(沖縄方言)
  • チヌカルカムイ(私たちが見る神) – 北海道(アイヌ語)

探し方

ポラリスの探し方

ポラリスを探す方法は以下の2種類が有名である。

  • 柄杓形で表現される北斗七星の7星のうち、柄から一番遠い2星を結んだ線上、柄杓の上側にある。柄杓の先端からの距離は、先の2星の間隔の約5倍である。
  • W字形で表現されるカシオペヤ座の5星のうち、片側2星の延長線と反対側2星の延長線の交点と中央の星とを結んだ線上、W字の上側にある。中央の星からの距離は、先の交点と中央の星との間隔の約5倍である。

ポラリスに関する伝承

地球から見て北極星はほとんど動かないという特殊な性質があるため、世界各地では一般的に不動の星として認識されており、様々な伝承が残っている。ところがその中にあって、日本においてはポラリスも僅かだが動くことが、民間伝承として伝えられている。伝承とは次のようなものである。

江戸時代大坂に、日本海の北回り航路で交易をしていた桑名屋徳蔵という北前船の親方がいた。ある夜留守を預かる徳蔵の妻は、機織りをしながら時々夫を思っては北の窓から北極星を見ていた。すると北極星が窓の格子に隠れる時があり、彼女は北極星は動くのではないかと疑いを持った。そこで次に彼女は眠らないように水をはったたらいの中にすわって一晩中北極星を観察して、間違いなく動くことを確かめた。帰ってきた徳蔵に彼女はこのことを告げ、この事実は船乗りたちの間に広まっていった。

2013年末におけるポラリスの日周運動直径はおよそ1.4°であるが(写真)、過去はもっと大きな日周運動を描いていた。

この伝承は、ポラリスの可動性を説いたものの一つである。伝承は瀬戸内海沿岸を主として広く分布しており、当事者の名前、苗字、職業、妻の作業内容やポラリスの可動性を発見したシチュエーションなどに様々なバリエーションがある。また、名前の類似から天竺徳兵衛とされたり、職業から紀伊国屋文左衛門とする地方もある。

ただし、ポラリスが北極星として認識されるようになったのは、ヨーロッパでも大航海時代となった16世紀(1500年代)になってからのことである。この伝承は1800年代のことになるが、当時のポラリスの北極距離は2度に満たず、ポラリスの可動性に気付いたのは北極距離が3度近くあった1600年頃だと推定されている。なお、これはあくまで民間での話であって、歳差は(その原因についてはともかく)古くから知られていたので、学問的には、北極星が遷移することは洋の東西を問わず常識であった

フィナロ

フィナロとは?

男性型脱毛症(AGA)の治療薬として有名な、プロペシアのジェネリックの一種。インドの製薬メーカー「インタス」が生産を手がけている。

同じくインドから世界中に発売されてきたフィンペシアと違い、キノリンイエローをいっさい使用していないことで有名になった。そのほか、コスト面でのアドバンテージがあることも日本での売れ行きに拍車がかかったと考えられている。
副作用等については、プロペシアほかフィナステリドを含む商品とあまり違いがない。

フィナロは安価であることと服用方法が簡単であることで人気を高めた。しかし、医師の指示を受けながらプロペシアを服用する場合と異なり、何かあったときに専門的なアドバイスをなかなか受けられない点がデメリットとなる。

フィンカー

フィンカーとは?

男性型脱毛症(AGA)を治療するための薬の一種。
プロペシアの主成分であるフィナステリドを利用して、より強力な医薬品であるプロスカーが生産されたが、フィンカーはこのプロスカーをヒントにして生産されたジェネリック医薬品である。

プロスカーはプロペシアよりもフィナステリドの含有量が高いことと、安く購入できることで話題を集めたが、フィンカーはプロスカーよりもさらに安く入手できることで当初かなり有名になった。

ピルカッター等を用いて、錠剤を分割して服用することが推奨される点についてはプロスカーとほぼ共通している。性機能や肝機能にまつわる副作用がある点にも大きな違いは見られない。

いずれにしても、植毛と異なり服用期間が長引くほどコストが増していくことは否めない。

プロスカー

プロスカーとは?

男性型脱毛症(AGA)を治療するための薬の一種。プロペシアを取り扱うメルク社が販売している。

有効成分であるフィナステリドの含有量が、プロペシアと比べて格段に増やされている。
このため、コスト面でのアドバンテージがある。
肝心の抜け毛の防止についてもプロペシアより高い効果を期待できるが、服用する前に錠剤を分割する必要が生じる。これは、1日あたりの服用量を必要以上に増やすべきではないためである。

こうした事情を総合すると、毎日細かな作業を繰り返すことを望まない患者には向いていない。また、錠剤の管理については細心の注意を払う態度が要求されることも視野に入れて購入するべきである。