男性のびまん性脱毛症とは?|原因と治療法を専門医が解説

男性のびまん性脱毛症は円形脱毛症などとは異なり、頭全体の密度が下がるのが特徴です。そのため、気付いた時にはボリュームが大幅に減っていたケースも少なくありません。その上、進行の仕方がゆるやかであるため、定期的なチェックも重要です。必要に応じて治療も検討し、健康な頭髪を維持しましょう。

本記事では、びまん性脱毛症の特徴や原因を専門医の視点で解説します。また、AGAとの違いや具体的な治療方法についても解説しているため、ぜひ参考にしてください。

男性にも見られるびまん性脱毛症とは|全体が薄くなる脱毛症

びまん性脱毛症_男

びまん性脱毛症は40代以降の女性に多い脱毛症として知られています。しかし、男性にも発症する可能性があります。びまん性脱毛症の特徴は、頭部全体の毛量が均一に減る点です。そのため、初期段階では変化を自覚しにくいのです。

男性型脱毛症は特定の部位だけが薄くなりますが、びまん性脱毛症は全体の密度が下がるため、髪の立ち上がりが弱くなり、徐々にボリュームが失われていきます。症状が進行する原因は複数の要因が関係しており、気がついた時には手遅れになっているケースも少なくありません。

近年は若い世代でも発症例が増えており、20代から進行するケースも報告されています。手遅れにならないためには、変化を実感した段階で早めに専門医へ相談することが重要です。専門医の視点で原因を正確に突き止めてもらいましょう。

男性にも見られるびまん性脱毛症の原因

カウンセリングを受ける男性

なぜ女性に多い脱毛症が男性にも発症するのでしょうか。実は男性にも見られるびまん性脱毛症には、複数の原因があるのです。まずは、原因を正しく理解するところから始めましょう。

ここでは、男性にも見られるびまん性脱毛症の原因を5つ紹介します。

過度なストレス

過度なストレスは自律神経の働きを乱し、頭皮への血行を低下させます。血行が乱れると、毛根へ必要な酸素や栄養が十分に届きません。この状態が続くと、髪が細く弱い状態へ進んでしまうのです。このように、頭皮環境とストレスは密接に関係しているため、日頃からストレスケアを実施しましょう。

睡眠不足

睡眠不足も男性のびまん性脱毛症を招く原因の1つです。なぜなら、睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、髪の修復に必要な働きを弱めるためです。十分な休息が取れない状態が続くと、毛周期の乱れが起こり、髪が抜けやすい状態へ進みます。

その上、睡眠が浅いとストレス耐性も下がるため、頭皮の負担も大きくなります。また、夜型の生活は体の回復が追いつかず、びまん性脱毛症の進行を早めてしまう可能性があるため注意が必要です。

栄養不足(偏食・食事を抜く等)

栄養不足は髪をつくる働きそのものに影響します。例えば、たんぱく質や亜鉛、鉄分などが不足すると、髪が成長しにくくなり、症状の進行を早めてしまいます。また、偏食が続く生活や食事を抜く習慣は、頭皮の代謝低下を招くため注意が必要です。

びまん性脱毛症を予防するには極端なダイエットや食べ過ぎを控え、バランスの良い食事を心がけましょう。

加齢やホルモンバランスの変化

加齢が進むとホルモンバランスが変化し、髪の成長力が弱まります。なぜなら、年齢を重ねると、髪を生産するために必要なエネルギー代謝が低下するためです。また、血管などの循環器も、加齢とともに機能が低下します。

循環器は髪の生産に必要な栄養を毛母細胞に運ぶ役割を果たしています。そのため、機能が低下すると、びまん性脱毛症が進行してしまうのです。症状が悪化すると毛母細胞が死滅し、細胞数そのものが減ってしまうケースもあるため、注意が必要です。

加齢に加えて生活習慣が乱れていると進行が早まるため、年齢による変化を自覚した段階で早めに専門医へ相談しましょう。

間違ったヘアケア

間違ったヘアケアは頭皮を刺激し、長期的なダメージにつながります。例えば、汚れを落とそうと強い洗浄力のシャンプーを使い続けると皮脂が過度に失われ、かえって炎症が起きやすくなるのです。

また、湿った髪のまま寝る習慣や頻繁なカラーリングも頭皮の負担へつながります。そのため、日々のケアが頭皮に合っているか見直し、正しいケアへ導きましょう。

びまん性脱毛症とAGAとの違いについて

髪のトラブルで悩む男性達

びまん性脱毛症とAGAは薄毛の進行パターンが大きく異なるため、原因の把握や治療方針も変わります。見た目の変化だけでは判断しにくいため、違いを理解して適切な治療を受けましょう。ここでは、びまん性脱毛症とAGAとの違いについて解説します。

薄毛の出方の違い

AGAは前頭部や頭頂部など、特定の部位から進行します。特定の部位から進行し「M字」や「O字」など最終的に型が決まるのが特徴です。部分的に密度が下がるため、セルフチェックでも変化に気付きやすいでしょう。

一方、びまん性脱毛症は頭全体の密度が均一に下がり、ボリュームがゆるやかに失われます。AGAとは異なり部分的な変化が出にくいため、進行に気付きにくいのです。

原因の違い

AGAはDHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる男性ホルモンの影響で毛包が縮小し、髪が細く短い状態へ進むのが特徴です。そのため、進行具合は、遺伝的な要因も影響しています。

一方、びまん性脱毛症は生活習慣の乱れやストレス、栄養不足など複数の要因が絡み合っています。男性ホルモンだけが原因ではないため、さまざまな視点で原因を突き止めなければなりません。場合によっては、総合的な生活見直しも検討することになるでしょう。

治療薬の違い

AGAではフィナステリドやデュタステリドが使用されています。これらの薬はAGAのメカニズムに作用し、DHTの影響を抑えるため、部分的な薄毛に対して効果が期待できるのです。

一方、びまん性脱毛症はDHT以外の要因が関係しているため、同じ薬で十分な効果を得られないケースも少なくありません。そのため、びまん性脱毛症の治療では、投薬だけではなく、生活習慣の改善や食事管理も重要視されています。

男性ではAGAと併発しているケースが多い理由

男性はもともとAGAの発症率が高く、加齢やストレスの影響が重なる時期にびまん性脱毛症が進むと、併発するケースも少なくありません。

併発すると、薄毛の範囲が広がり、見た目の変化が大きくなる可能性があります。そのため、手遅れになる前に診断を受けて、症状を正しく見極めてもらうことが重要です。

男性のびまん性脱毛症の治療・対策

男性医師と患者

男性のびまん性脱毛症は、活習慣の乱れやストレスなど複数の要因が重なる形で進むため、原因に合わせた対策が大切です。ここでは、男性のびまん性脱毛症の治療法や対策法について解説します。

生活習慣の改善

生活習慣の改善はびまん性脱毛症対策の基本です。例えば、栄養が偏る食生活は髪の成長を弱めるため、たんぱく質や亜鉛を意識した食事へ整えましょう。忙しい人はサプリメントで補うのもおすすめです。

さらに、睡眠不足は回復力を下げるため、一定の睡眠時間を確保する習慣も重要です。また、適度な運動は血行を整える効果が期待できるため、運動習慣がない人はウォーキングやジョギングなど、負荷が少ない運動から始めてみましょう。

適切なストレスマネジメント

過度なストレスは自律神経を乱し、頭皮の血行低下を招くため、びまん性脱毛症の進行に影響します。その上、緊張が続く生活は睡眠の質にも影響し、髪の成長に必要な回復の機会を奪ってしまうのです。そのため、自分にかかる負担を把握して、心身を休める時間を意識的に確保しましょう。

趣味や休息の時間を持つことで心の余裕が生まれ、身体のリズムが整います。その結果、頭皮環境にも良い影響をもたらしてくれるでしょう。ストレスを放置すると進行が加速する可能性があるため、早めのケアが大切です。

洗髪方法の改善

洗髪方法の見直しは頭皮への負担を減らす上で重要です。強くこすって洗う習慣は頭皮の刺激となり、乾燥や炎症の原因になります。また、洗浄力の高いシャンプーを使い続けると皮脂が過剰に失われ、頭皮が不安定な状態へ進みます。

そのため、やさしい洗浄力のシャンプーを使い、ぬるま湯で丁寧に洗いましょう。濡れた髪の放置も負担となるため、洗髪後は早めにドライヤーをして、乾かし残しがないようにするのがポイントです。

投薬治療

投薬治療は原因に応じて選びましょう。びまん性脱毛症ではミノキシジルが頭皮の血行を整え、発毛の働きを支える治療として用いられています。もし、栄養不足が関係している場合、亜鉛や鉄分などの不足に合わせた栄養サプリが役立つケースもあります。

AGAとは異なり、フィナステリドで十分な改善が得られない例もあるため、原因を特定した上で選ぶのが重要です。生活習慣の改善と併用し、治療を総合的に進めましょう。

自毛植毛

自毛植毛は後頭部などの抜けにくい部分から毛根を移植し、薄くなった部位へ定着させる治療法です。自毛植毛は根本的治療法として近年注目されています。

自分の髪を用いるため拒絶反応が起こりにくく、定着後は通常の髪と同じように伸びる点が特徴です。びまん性脱毛症は全体の密度が下がるため、薄毛の範囲が広いケースでは効果をより強く実感できるでしょう。

びまん性脱毛症の自毛植毛ならアスク井上クリニックの i-SAFE がおすすめ

白衣のシニア医師

びまん性脱毛症は広い範囲で密度が低下するため、通常の治療だけでは十分な改善へ進まない場合があります。そこでおすすめしたいのが「アスク井上クリニック」の「i-SAFE」です。ここでは、当院が提供するi-SAFEの特徴を紹介します。

切らない・傷が小さい・生着率が高い

当院の「i-SAFE」はメスを使わずに採取を行う独自技術です。その上、採取孔が非常に小さいため傷跡が目立ちにくく、術後の回復もスムーズに進みます。

また、ダメージレスグラフトを採用し、毛根への負担を最小限へ抑える工夫がとられています。痛みを抑えられることと生着率の高さから多くの患者様に評価されているのです。

広範囲の薄毛にも対応できる大量移植技術

「i-SAFE」は1日に最大4,000グラフト(約10,000本)移植できる体制を整えています。そのため、広範囲のびまん性薄毛にもおすすめです。仕上がりを損なわずに密度を整えられるため、審美性にも優れています。

ナチュラルさが求められるびまん性の薄毛にも相性が良い

「i-SAFE」は科学的根拠に基づいた植毛デザインを採用し、ナチュラルな仕上がりを再現しています。なぜなら、マイクロスリットやホール、ニードルを状況にあわせて使い分け、高密度でありながら不自然さを出さない植毛ができるためです。全体が薄く見えるびまん性脱毛症とも相性が良いため、満足度の高い治療法といえるでしょう。

▼アスク井上クリニックの i-SAFE の詳細はこちら
https://www.asc-cl.jp/medical/isafe/

びまん性脱毛症の症例写真

症例の詳細はこちらをご確認下さい

まとめ

びまん性脱毛症はゆっくりと進行するため、気がついた時には症状が深刻になっているケースも少なくありません。症状が進行する原因は複数の要因が重なるため、原因に合った対策をとりましょう。

当院の自毛植毛法 i-SAFEは、傷が小さい上、広範囲の薄毛をカバーできる技術を持っています。自然な仕上がりを重視するびまん性脱毛症とも相性が良い植毛方法です。もし少しでも関心がある方は、まずはアスク井上クリニックの無料カウンセリングをご利用ください。

監修医師

井上 浩一 アスク井上クリニック院長

井上 浩一 アスク井上クリニック院長

経歴

1988年熊本大学医学部卒業
熊本大学医学部付属病院 勤務
1989年某大手美容整形外科クリニック 本院勤務
1998年都内美容外科クリニック 院長就任
2002年植毛クリニック開院
2014年アスク井上クリニック 開院
2022年アスク美容クリニック銀座 開院

学会等実績

日本美容外科学会 / 日本臨床毛髪学会 / 日本頭蓋顎顔面外科学会