「AGAは治らない」と耳にすると、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。実際、AGAは進行性の脱毛症であり、放置すれば症状が悪化していきます。しかし、治療法が存在しないわけではありません。
薬によるコントロールや自毛植毛など、進行を抑えたり改善を目指したりする手段は確立されています。ここの記事では、AGAが「治らない」といわれる理由と、効果的な治療法について詳しく解説します。
AGA(男性型脱毛症)とは
AGA(男性型脱毛症)は、日本人男性の約3人に1人が発症するといわれる代表的な脱毛症です。思春期以降に発症することが多く、前頭部の生え際や頭頂部から徐々に薄毛が進行していくのが特徴です。原因の中心は、男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン(DHT)」の影響と考えられています。
DHTは毛包に作用してヘアサイクルを乱し、成長期を短縮させることで、髪が十分に太く長く育つ前に抜け落ちてしまいます。その結果、髪は細く短いまま産毛のようになり、やがて毛量が減少。進行性であるため放置すると改善は難しいですが、早期に治療を開始すれば進行を抑えることが可能です。
▼男性型脱毛症(AGA)についてはこちらの記事でも解説しています。
男性型脱毛症(AGA)
AGAの原因
AGAは単一の要因で起こるのではなく、ホルモンや遺伝、生活習慣などが複雑に関わり合って発症します。それぞれの仕組みを理解することで、予防や治療に役立てられます。ここでは、AGAを引き起こす主な要因を順に確認していきましょう。
男性ホルモン(DHT)の影響
男性ホルモンの一種、ジヒドロテストステロン(DHT)は、毛根の細胞に働きかけて成長期を短くし、髪を十分に育てる前に抜け落ちさせるAGA最大の原因です。これにより、徐々に細く短い毛が増え、最終的には産毛のように弱々しくなってしまいます。
DHTはテストステロンが5αリダクターゼという酵素によって変換されることで生成されるため、この働きを抑えることがAGA治療の基本的なアプローチになります。
遺伝
遺伝もAGAの大きな要因です。特に母方の家系からの影響が強いとされており、親族に薄毛の傾向がある場合は発症リスクが高まります。遺伝によって決まるのは、DHTに対する毛根の感受性です。
毛根がDHTの影響を受けやすい体質を持っていると、同じ生活環境でも脱毛が進行しやすくなります。遺伝そのものは変えられませんが、生活習慣を整えたり早期に治療を始めたりすることで、進行を抑えることは可能です。
ストレス
精神的・身体的なストレスもAGAの悪化要因のひとつです。強いストレスを受けると自律神経のバランスが崩れ、頭皮の血流が滞りやすくなります。その結果、毛根に十分な栄養や酸素が届かず、髪が成長しにくい状態になります。
さらに、ストレスはホルモンバランスにも影響を与え、DHTの作用を強める方向に働くこともあるのです。日常的にリフレッシュを取り入れることは、AGA対策においても重要な要素だといえるでしょう。
▼ストレスについてはこちらの記事でも解説しています。
ストレス
生活習慣
不規則な生活習慣もAGAの進行を助長する要因のひとつです。睡眠不足や偏った食生活、喫煙、過度の飲酒は血流を悪化させ、毛根に栄養が行き届きにくくなります。その結果、髪の成長サイクルが乱れ、細く短い毛が増えることにつながります。
特に睡眠中は成長ホルモンの分泌が活発になり、髪の再生に欠かせない時間です。生活習慣を整えることは、AGAそのものを治す手段ではありませんが、進行を抑えるための基盤となります。
なぜ「AGAは治らない」と言われるのか
AGAは「進行性の脱毛症」であるため、完治が難しいといわれます。薬物治療によって発毛を促したり抜け毛を抑えたりすることは可能ですが、これはあくまで症状をコントロールする手段にすぎません。治療を中断すると再び薄毛が進行しやすく、多くの場合で効果を維持するには継続が必要です。
また、外用薬や内服薬は発毛を促す作用はあっても、毛根そのものを根本的に元通りにするわけではありません。そのため「治らない」と表現されることが多いのです。ただし、適切に治療を継続することで進行を抑え、見た目を改善させることは十分に可能であり、決して希望がないわけではありません。むしろ早期に治療を始め、生活習慣の改善と併せて取り組むことで、長期的に良好な状態を維持できる可能性が高まります。
AGAの初期症状
AGAはゆっくりと進行するため、気づいたときには薄毛が進んでいるケースも少なくありません。早期に兆候を把握することが、進行を抑えるためにはとても重要です。初期段階では以下のような症状が見られることがあります。
- 髪質の変化:髪が細く柔らかくなり、ハリやコシがなくなる
- 毛量の減少:全体のボリュームが少なくなり、セットが崩れやすくなる
- 抜け毛の増加:シャンプーや枕に付く毛が増え、1日100本以上抜けることもある
- 産毛の増加:生え際に細く短い毛が多くなり、成長が止まったように見える
- 頭皮のかゆみ:皮脂の分泌や炎症によって頭皮トラブルが起こる場合がある
これらのサインは、見逃しやすいながらもAGAの初期に現れやすい特徴です。特に「以前より髪が細くなった」「おでこが広くなった」と感じたときは注意が必要です。写真を撮って定期的に比較すると、変化を把握しやすくなります。
少しでも気になる兆候があれば、早めに専門機関に相談することで、進行を抑える可能性が高まります。初期段階で行動するかどうかが、その後の改善度を大きく左右するため、自己判断で放置せず専門家の意見を取り入れる姿勢が大切です。
特に若い年代での発症は進行が早いため、早期受診によって治療の選択肢を広げられるというメリットもあります。
AGAの治療法
AGAは進行性のため、放置すれば症状は悪化していきます。しかし、適切な治療を継続することで進行を抑え、改善を目指すことは可能です。ここでは、代表的な治療法を紹介します。
外用薬
代表的な外用薬はミノキシジルです。頭皮の血流を改善し、毛包を刺激することで発毛を促進します。使用開始から効果を実感できるまでには数ヶ月を要することが多く、短期間では十分な変化が見られにくい点が特徴です。
また、使用をやめると再び症状が進行する可能性が高いため、継続して使い続けることが重要です。初期に産毛が増えるのは効果が現れているサインと考えられます。
内服薬
内服薬では、フィナステリドやデュタステリドが代表的です。これらは男性ホルモンの一種であるDHTの生成を抑制し、抜け毛の進行を防ぎます。効果の実感にはやはり数ヶ月を要し、服用を続けることで安定した成果が期待できます。
ただし、服用を中止すると再び薄毛が進むため、医師の指導のもとで継続的に使用することが前提です。外用薬と組み合わせることで、より効果的な治療につながります。
自毛植毛
薬では十分な改善が得られない場合、自毛植毛という選択肢があります。これは後頭部などAGAの影響を受けにくい健康な毛を薄毛部分へ移植する方法です。移植した毛は定着すれば半永久的に成長を続けるため、1回の施術で長期的な効果が期待できます。
薬と異なり継続使用の必要がなく、確実に毛量を補える点が大きな特徴です。特にM字型や生え際の改善に適しており、自然な見た目を取り戻しやすい治療法として確立されています。
▼自毛植毛についてはこちらの記事でも解説しています。
自毛植毛
自毛植毛による根本的治療
薬による治療で効果を実感できない場合や、より確実な改善を望む場合に有効なのが自毛植毛です。自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の健康な毛を採取し、生え際や薄毛部分に移植する方法です。移植毛は自分自身の髪であるため拒絶反応がなく、自然な見た目を再現できるのが最大の利点だといえるでしょう。
さらに、定着すれば半永久的に成長を続けるため、薬による治療では補えない部分をカバーできます。特にM字型や前頭部の改善に効果的で、根本的な薄毛対策として信頼性の高い治療法です。加えて、施術後のケアを適切に行うことで定着率が高まり、より長期的に安定した効果が得られる点も魅力です。
さらに、自毛植毛は一度の施術で大きな改善が期待できるため、長期的な薬の使用に不安を持つ人や副作用を避けたい人にとっても、有効かつ安心感のある選択肢となります。費用面では一定の投資が必要ですが、その分だけ持続性と確実性が高く、人生全体で見ればコストパフォーマンスに優れる治療法ともいえるでしょう。
アスク井上クリニックの「i-SAFE」は、高い技術力とデザイン力を兼ね備えた自毛植毛法
自毛植毛で大切なのは、自然で違和感のない仕上がりと、移植毛の高い定着率です。アスク井上クリニックが導入している「i-SAFE」は、痛みや傷を最小限に抑えながら、高密度で自然な毛流れを再現できる先進的な植毛法です。
痛みが少なく、高精度で自然な仕上がり
i-SAFEは、メスを使わない特殊な器具で毛根を採取するため、従来の手術と比べて痛みが少なく、術後の腫れも軽減されます。さらに、毛の角度や方向を細かく調整しながら植え込むことで、自然な毛流れを再現できます。数ミリ単位の繊細な調整が行われるため、既存の髪と調和し、植毛と気づかれにくい仕上がりを目指せる点が大きな特徴です。
狙った部位に高密度に植毛が可能
従来の植毛では、密度を高めようとすると毛根へのダメージが増えるリスクがありました。i-SAFEでは、専用の機器を用いて毛根の向きや間隔を調整しながら移植できるため、狙った部位に高密度で植毛することが可能です。
特に生え際やM字部分など、印象を大きく左右する部位でも、自然に見える仕上がりが期待できます。髪型の自由度が広がる点も、患者様にとって大きなメリットです。
毛根を傷めないので高い生着率
i-SAFEでは毛根を陰圧吸引の仕組みで扱うため、従来の方法に比べて毛根へのダメージが少ないのが特徴です。毛根は非常に繊細であり、移植の過程で傷つくと定着率が下がります。
i-SAFEは毛根を優しく移動させるため、生着率が高く、治療後も安定して発毛が続きやすくなります。長期的に自然なボリュームを維持できる点から、確実な成果を求める方に適した治療法といえるでしょう。
まとめ
AGAは進行性であるため「治らない」といわれがちですが、適切な治療を続ければ進行を抑え、改善を目指すことは可能です。外用薬や内服薬は症状をコントロールする効果があり、自毛植毛は根本的に髪を取り戻す有効な手段となります。
大切なのは、初期段階で変化に気づき、早めに専門機関に相談することです。自分に合った治療を継続することで、生え際や髪のボリュームを自然に維持していく道が開けます。
もし少しでも気になる点があれば、植毛・自毛植毛専門クリニックのアスク井上クリニックの無料カウンセリングをご活用ください。