植毛後の「ダウンタイム」とは?症状・期間・過ごし方を徹底解説

植毛後には、術後の症状が落ち着くまでのダウンタイムがあります。しかし、「赤みや腫れがどれくらい続くか」「仕事や日常生活へいつ復帰できるか」など、不安に感じる方も多くいるでしょう。ダウンタイムの症状や期間、過ごし方を事前に理解すると、術後も安心して過ごせます。

本記事では、植毛後のダウンタイムでよくある症状や具体的な経過について解説。また、症状ごとの対処法や回復を早めるポイントについても詳しく紹介します。

 
▼術後についてはこちらの記事でも解説しています。
自毛植毛後のお手入れ

 

植毛のダウンタイムとは?

植毛のダウンタイムとは、植毛手術後の症状が落ち着き、通常の生活に戻れるまでの期間を指します。この期間は移植した毛髪の定着を促し、術後に起こる頭皮の赤みや腫れなどの症状を回復するために重要な役割を担います。

ただし、現れる症状の程度や期間には個人差があり、受けた手術方法や範囲などの条件でも異なるのです。ここでは、ダウンタイムの具体的な症状や経過、その期間の過ごし方を詳しく解説します。

ダウンタイムの定義と目的

植毛におけるダウンタイムとは、植毛手術後に頭皮が回復するために必要な期間を指します。一般的には術後に現れる腫れや赤み、かゆみなどの症状が徐々に治まり、頭皮が本来の状態を取り戻すまでの期間を指します。そのため、ダウンタイム中は無理な活動を控え、頭皮に負担をかけない生活を徹底しなければいけません。

ダウンタイムの期間はどれくらい?個人差や手術方法による違い

植毛のダウンタイムは、患者の体質や手術内容、移植本数によって異なりますが、通常は数日から1週間程度が目安です。ただし、小規模な植毛では症状が軽微で数日以内に日常生活へ復帰可能な場合もありますが、大規模な施術を行った場合には長引く可能性もあります。
この期間に無理をすると毛髪が十分に定着せず、術後の経過に影響を及ぼすことがあるため、医師から受けた術後ケアの指示に従ってください。

 

術後に現れる主な症状とその経過

植毛手術を受けた後は、頭皮にさまざまな症状が現れます。これらの症状は術後の回復過程で必要な反応であり、適切に対処すれば順調に回復します。ただし、症状の現れ方や回復のスピードには個人差があるため、事前に理解しておくと安心できるでしょう。

赤み

植毛後、移植部分やドナー部分には赤みが出ることが一般的です。これは頭皮が細かい傷を修復しようとする自然な反応であり、通常は数日から1週間程度で落ち着きます。赤みが強く長引く場合は炎症の可能性もあるため、医師に相談することが重要です。

腫れ

手術後には前頭部から額にかけて腫れが出ることがあります。特に手術翌日から数日間にかけて腫れがピークとなり、その後は自然に引いていきます。腫れを和らげるためには、頭を高くして休むなどの工夫が有効です。

かゆみ

術後の頭皮にはかゆみが生じることがあります。これは傷の治癒過程でよく起こる反応ですが、かゆみに対して掻いてしまうと、移植した毛根に悪影響を及ぼす可能性があるため避けましょう。

かさぶた

植毛部位には小さなかさぶたが形成されます。これは正常な治癒反応であり、数日から1週間程度で自然に剥がれ落ちます。無理に剥がすと毛根の定着が妨げられるため、自然に取れるのを待つことが大切です。

痛み

術後の数日間は痛みを感じることがありますが、通常は軽度であり時間の経過とともに和らぎます。処方された鎮痛薬を適切に使用すれば、痛みは十分にコントロール可能です。

つっぱり感や違和感

術後の皮膚にはつっぱり感や違和感を覚えることがあります。これは頭皮が回復していく過程で一時的に起こる症状です。多くの場合、時間の経過とともに軽減していきます。

ダウンタイム中の経過の流れ

植毛後のダウンタイムは、日ごとに症状が変化していきます。ここでは一般的な経過の目安を紹介しますが、実際の回復スピードには個人差があるため、医師の指示を優先してください。

手術当日~翌日

手術直後は頭皮に赤みや出血の痕が残り、違和感があります。腫れは翌日以降に現れることが多く、この時期は安静に過ごし、処方された薬を忘れずに服用することが大切です。

2〜3日後

腫れや赤みが強く現れるピークの時期です。頭を高くして寝ることで腫れを軽減できます。かさぶたができ始めるのもこの時期で、絶対に無理に触らないようにしましょう。

1週間後

かさぶたが自然に剥がれ落ち、見た目の変化が落ち着いてきます。痛みや強いかゆみも軽減し、日常生活に支障が少なくなります。ただし、この時期も毛根はまだ安定していないため、刺激を避けることが重要です。

2週間後

頭皮の赤みや違和感もほとんどなくなり、外見上は手術を受けたことが目立たなくなります。シャンプーも通常通りに行えるようになりますが、強くこすらずに優しく洗うことを心がけてください。

1か月以降

移植した毛は一時的に抜け落ちる「ショックロス」の時期に入りますが、これは自然な現象です。毛根は頭皮内にしっかり残っているため、数か月後には新しい毛が生えてきます。

症状が長引いたり強く出る場合の注意点

通常、植毛後の症状は時間とともに改善していきますが、症状が長引いたり悪化する場合には注意が必要です。強い痛みや腫れが長期間続く、化膿や膿が出るといった症状がある場合は、感染症の可能性もあるため速やかに医師へ相談してください。

ダウンタイム中の過ごし方と対処法

植毛後のダウンタイムを快適に過ごし、スムーズに回復するためには、適切なセルフケアが欠かせません。ここでは日常生活で気を付けるべきポイントを紹介します。

洗髪方法

術後のシャンプーは医師の指示に従い、優しく行うことが重要です。術後数日はシャワーを直接患部に当てず、ぬるま湯を流す程度に留めるのが安心です。

睡眠姿勢

腫れを防ぐためには、枕を高めにして頭を心臓より上に保つ姿勢で眠ることが推奨されます。うつ伏せや横向きで頭皮に圧力をかけないように注意しましょう。

生活習慣の注意点

飲酒や喫煙、激しい運動は頭皮の血流や治癒に悪影響を及ぼします。少なくとも術後1週間は控えることをおすすめします。

回復を早めるためにできること

植毛後の回復を早めるためには、医師の指示を守ることが最も大切です。さらに、栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠を心がけることも効果的です。サプリメントの使用については、必ず主治医に確認してください。

植毛のダウンタイムに関するよくある質問

Q. ダウンタイム中に仕事はできますか?

A. 仕事内容によりますが、デスクワークなど軽作業であれば数日後から可能です。肉体労働や運動を伴う仕事は、1〜2週間程度控えるのが安心です。

Q. ダウンタイムを短くする方法はありますか?

A. 医師の指示を守り、頭皮に負担をかけない生活を心がけることが一番です。特に飲酒・喫煙を控えることは回復を早めるために有効です。

Q. かさぶたが気になるのですが取っても大丈夫ですか?

A. かさぶたは自然に剥がれるまで触らないことが大切です。無理に剥がすと毛根が抜け落ちる恐れがあります。

Q. ダウンタイム中に外出はできますか?

A. 外出は可能ですが、直射日光を避け、帽子や日傘を活用してください。帽子をかぶる際は、患部を圧迫しないように注意しましょう。

まとめ

植毛のダウンタイムは、術後の頭皮が回復し毛髪が定着するために欠かせない期間です。赤みや腫れ、かゆみなどの症状は自然な経過であり、正しいセルフケアを行えば多くの場合は1〜2週間で落ち着きます。

もし症状が長引いたり強く出たりした場合は、自己判断せずに必ず医師へ相談してください。ダウンタイムを正しく理解し、適切に過ごすことが植毛の成功につながります。

もし少しでも気になる点があれば、植毛・自毛植毛専門クリニックのアスク井上クリニックの無料カウンセリングをご活用ください。

監修医師

井上 浩一 アスク井上クリニック院長

井上 浩一 アスク井上クリニック院長

経歴

1988年熊本大学医学部卒業
熊本大学医学部付属病院 勤務
1989年某大手美容整形外科クリニック 本院勤務
1998年都内美容外科クリニック 院長就任
2002年植毛クリニック開院
2014年アスク井上クリニック 開院
2022年アスク美容クリニック銀座 開院

学会等実績

日本美容外科学会 / 日本臨床毛髪学会 / 日本頭蓋顎顔面外科学会