髪の毛が細くなったり、抜け毛が増えたりといった変化に気づいたとき、なぜ髪が生えるのかという仕組みを考えたことはあるでしょうか。健康な髪の成長を支えているのは、毛母細胞と呼ばれる細胞です。この毛母細胞がしっかりと働いていることで、私たちは太くしっかりとした髪を保てます。
この記事では、毛母細胞とは何か、どのようにして髪が生まれるのか、そして毛母細胞の活動が休止する原因について、専門医の見解をもとにわかりやすく解説していきます。髪の健康を守るために、まずは正しい知識を身につけていきましょう。
目次
毛母細胞とは?|髪を生み出す製造工場

私たちの髪は、ただ自然に生えてくるものではありません。その成長の裏側では「毛母細胞(もうぼさいぼう)」という小さな細胞が、まるで髪の製造工場のように働いています。毛母細胞が活発に働いているからこそ、私たちは健康な髪を保てるのです。
髪の構造と毛母細胞の位置
髪の毛は、大きく分けて「毛幹(もうかん)」「毛根(もうこん)」「毛球(もうきゅう)」の3つの部分からできています。普段目にする髪の毛は「毛幹」と呼ばれる部分で、皮膚の外に出ている部分です。一方、皮膚の内側にあるのが「毛根」、その一番奥にあるのが「毛球」です。
この毛球の中に、「毛母細胞」と「毛乳頭(もうにゅうとう)」という非常に重要な組織があります。毛乳頭は、血管から栄養や酸素を受け取り、それを毛母細胞に渡す役割をしています。毛母細胞は、その栄養を使って細胞分裂を繰り返し、新しい髪の毛を生み出しているのです。
毛母細胞の働き
毛母細胞の一番の役割は、「髪の毛を作り出すこと」。より具体的にいうと、細胞分裂によって新しい髪のもとを生み出し、それがケラチンというたんぱく質に変化して、一本の髪の毛となって成長していきます。
この働きは、髪の「成長期」に最も活発になります。実は、髪の毛は毎日0.3〜0.4mmずつ伸びていますが、それは毛母細胞が一日に何十回も分裂を繰り返しているからです。
毛母細胞とヘアサイクル(毛周期)の関係
髪の毛は、常に同じ状態で生え続けているわけではありません。そこには「ヘアサイクル(毛周期)」と呼ばれる、髪の生え変わりのリズムが存在します。そして、このヘアサイクルに深く関わっているのが「毛母細胞」です。
毛母細胞は、髪の元となる細胞を生み出す役割を担っており、その働きが正常であれば、髪は太く長く育ちます。しかし、毛母細胞の働きが弱まると、髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛や薄毛の原因につながることがあります。
成長期・退行期・休止期について
髪の毛は一生伸び続けるわけではなく、一定の周期に従って生え変わっています。この周期は大きく3つの段階に分けられます。
成長期は、毛母細胞が活発に働き、新しい髪を作り出す期間です。この間、毛母細胞は1日に何十回も細胞分裂を繰り返し、髪を約0.3〜0.4mmずつ伸ばしていきます。成長期が長いほど、髪は太く、しっかりとした状態に育つのです。
退行期になると、毛根が縮小し髪が抜ける準備に入り、毛母細胞の働きはゆるやかになり、髪の成長が止まり始めます。この期間は比較的短く、約2〜3週間とされています。
休止期は、毛母細胞の活動が完全に停止し、髪が自然に抜け落ちる時期です。そして再び成長期が始まり、新しい髪が生えてくる…というサイクルが繰り返されます。
ヘアサイクルの乱れが薄毛の原因になる
ヘアサイクルが乱れると、髪は十分に成長する前に抜けてしまうようになります。特に「成長期」が短くなると、髪が細く・短くしか育たず、結果的に全体のボリュームが減ってしまうのです。
このような乱れは、毛母細胞の機能低下によって引き起こされます。栄養不足、ストレス、血流の悪化、ホルモンバランスの乱れなどが原因となり、毛母細胞の分裂が鈍くなり、ヘアサイクルを正常に保てなくなるのです。
毛母細胞の働きが弱まる原因

毛母細胞は、髪の毛を生み出すために欠かせない存在ですが、とても繊細な細胞でもあります。頭皮環境やホルモンバランス、日々の生活習慣など、さまざまな要因の影響を受けやすく、条件が悪くなると働きが低下してしまいます。ここでは、毛母細胞の働きを弱める主な原因について見ていきましょう。
頭皮環境悪化・血行不良
毛母細胞が正常に働くためには、十分な栄養と酸素が必要です。これらは血液によって毛乳頭を通じて運ばれますが、頭皮の血行が悪くなると、毛母細胞まで栄養が届きにくくなります。
頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌、汚れの蓄積などによって頭皮環境が悪化すると、血流が滞りやすくなります。その結果、毛乳頭から毛母細胞への「髪を作れ」という指示が弱まり、新しい髪が生えにくくなってしまうのです。
AGA(男性型脱毛症)の影響
毛母細胞の働きを大きく弱める原因の一つが、AGA(男性型脱毛症)です。AGAは、男性ホルモンそのものではなく、テストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素と結びついて変化した、DHT(ジヒドロテストステロン)の影響によって起こります。
DHTは毛母細胞や毛乳頭に悪影響を与え、細胞分裂を抑制します。その結果、本来は長く続くはずの成長期が短くなり、髪が十分に育たないまま退行期・休止期へと移行してしまうのです。
精神的ストレスの影響
強いストレスや慢性的な精神的負担も、毛母細胞の働きを弱める原因になります。ストレスを感じると自律神経が乱れ、血管が収縮しやすくなります。その結果、頭皮の血流が悪化し、毛母細胞に必要な栄養や酸素が不足してしまうのです。
また、ストレスは体内の活性酸素を増やす原因にもなります。活性酸素は本来、体を守る役割を持っていますが、過剰に増えると健康な細胞まで傷つけてしまいます。毛母細胞もその影響を受け、働きが低下しやすくなるのです。
不摂生な生活習慣
食生活の乱れや睡眠不足、喫煙・過度な飲酒といった不摂生な生活習慣も、毛母細胞にとっては大きなマイナス要因です。髪の成長には、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が欠かせませんが、偏った食事が続くと栄養不足に陥ります。
さらに、睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、毛母細胞の修復や再生を遅らせてしまうのです。喫煙や過度な飲酒は血管を収縮させ、血行不良を引き起こすため、頭皮への栄養供給を妨げます。
毛母細胞を活性化させるためにできること

毛母細胞が元気に働いていると、髪は太く、しっかりと成長します。逆にその働きが弱まると、髪は細くなり、抜けやすくなってしまいます。そこで大切なのが、毛母細胞の活動をサポートする「日常のケア」や「専門的な治療」。
ここでは、毛母細胞を活性化させるためにできる具体的な方法を、4つの観点からご紹介します。
頭皮環境を整えるヘアケア
毛母細胞が正常に働くには、頭皮のコンディションがとても重要です。清潔でうるおいのある頭皮環境を保つことで、髪の成長を支える土台が整います。
基本は毎日のシャンプー。皮脂や汚れをしっかり落としつつ、頭皮に優しい成分のシャンプーを選ぶことがポイントです。また、頭皮マッサージを取り入れると血行が促進され、毛母細胞への栄養供給がスムーズになります。
生活習慣・ストレス管理の見直し
毛母細胞の活性化には、生活習慣の見直しが欠かせません。まずは栄養バランスの取れた食事を意識しましょう。髪の主成分となるたんぱく質や、毛母細胞の働きを助けるビタミンB群・亜鉛・鉄分などは特に重要です。
また、適度な運動も効果的です。有酸素運動を行うことで血流が良くなり、毛母細胞に酸素と栄養が届きやすくなります。
薬による薄毛治療
セルフケアを続けても効果を感じにくい場合には、医師の診断を受け、薬による治療を検討することが有効です。特に男性型脱毛症(AGA)のように、ホルモンの影響によって毛母細胞の働きが妨げられているケースでは、薬の使用が改善の鍵を握ります。
代表的な治療薬は、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬。これらは、DHT(ジヒドロテストステロン)という脱毛に関わる物質の生成を抑えることで、毛母細胞の活動低下を防ぎます。
自毛植毛
毛母細胞がすでに機能を失ってしまっている場合には、「自毛植毛」という選択肢があります。自毛植毛とは、自分の健康な毛包を後頭部などから採取し、毛母細胞が活動していない部分に移植する治療法です。移植された毛包には正常な毛母細胞が含まれているため、移植後も自然な髪が生えてくるのが大きな特徴です。
薬による治療では効果が見られなかった方や、薄毛の進行がかなり進んでいる方に向いています。施術には医師の高度な技術が求められるため、信頼できるクリニックでの相談が不可欠です。
毛母細胞は滅多に死滅しないが活動を休止することがある

髪の毛の成長を支える毛母細胞は、非常に重要でありながらも繊細な存在です。しかし、「毛母細胞が死んでしまったら、もう髪は二度と生えないのか」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
実際には、毛母細胞が完全に死滅してしまうことは非常にまれであり、ほとんどの場合は一時的に機能を休止しているだけにすぎません。適切な対策を行えば、再び活性化し、髪が生えてくる可能性も十分にあるのです。
毛母細胞は簡単に死滅しない
毛母細胞は非常に強く、通常の生活の中で簡単に死滅してしまうことはありません。たとえ薄毛や抜け毛が増えていたとしても、それは多くの場合、毛母細胞が死んでいるのではなく、何らかの原因によってその働きが一時的に低下しているだけです。
例えば、ストレスやホルモンバランスの乱れ、血行不良などが原因で、毛母細胞の活動が鈍くなっていることはよくあります。
毛母細胞を再び活性化できれば髪が生える可能性
一時的に活動を休止している毛母細胞は、適切な方法で刺激を与えることで再び働き始める可能性があります。毛母細胞が機能を回復すれば、再び髪の毛を生み出す力を取り戻せるため、薄毛の改善や発毛が見込めるのです。
再生医療の分野では、幹細胞を活用した治療法や、自身の血液から抽出した成分を頭皮に注入するPRP療法なども注目されています。
投薬治療で毛母細胞が改善しない場合は自毛植毛の選択肢も
薬や生活習慣の改善で毛母細胞の働きが戻らない場合、より根本的な治療法として「自毛植毛」を検討できます。これは、自分の後頭部など、毛母細胞がまだ活発に働いている部分から毛包ごと採取し、それを毛母細胞が失われた部位へと移植する医療技術です。
自毛植毛の大きな特徴は、移植された毛包が定着すれば、自然な髪として再び成長し続けるという点です。薬では改善が見られなかった部位でも、健康な毛包を移植することで、長期的な発毛が可能となります。
アスク井上クリニックの自毛植毛の特徴

アスク井上クリニックでは、院長・井上浩一医師の豊富な臨床経験と技術力により独自開発された、切らない自毛植毛法「i-SAFE」を採用しています。これは、従来の手術法と異なり、メスを使用せずに高密度かつ自然な仕上がりを実現できる次世代の植毛技術です。
生着率や仕上がりの美しさ、患者への負担の少なさにこだわり抜いた「i-SAFE」には、他では真似できない多くの強みがあります。
痛みが少なく高密度に植毛可能
「i-SAFE」は、従来のFUE(毛根を1つずつくり抜いて採取する植毛法)やFUSS(後頭部の皮膚を帯状に切り取って採取する植毛法)といった自毛植毛法と比べ、術後の痛みや腫れが非常に少ないという大きな特徴があります。その理由は、吸引アシストによる特殊なマイクロパンチ機器を使用しているためです。
この機器は回転しているときだけ吸引圧がかかる設計になっており、刃の挿入時に頭皮に余分な圧力がかからないため、皮膚に歪みを生じにくく、毛根へのダメージを最小限に抑えられます。
ドナー株を傷めず高い生着率
自毛植毛において「生着率の高さ」は、手術の成功を左右する最も重要な要素の一つです。アスク井上クリニックの「i-SAFE」では、吸引と切開を組み合わせた独自の技術により、毛包の切断を最小限に抑え、採取したグラフト(移植毛)を極力傷つけずに採取することが可能となっています。
自然な生え際デザインを追及した技術力
アスク井上クリニックが誇るもう一つの大きな強みが、「自然な生え際のデザイン」に対する徹底したこだわりです。多くの医療機関では生え際の位置をおおよその感覚で決めてしまうケースもありますが、同院では科学的根拠に基づき、顔の輪郭・目・眉などとのバランスを総合的に考慮した上で、生え際のラインを設計しています。
▼アスク井上クリニックのi-SAFEについて詳細はこちら
https://www.asc-cl.jp/medical/isafe/
まとめ
毛母細胞は髪を生み出す源であり、その働きが髪の太さや量を左右しています。普段は目に見えない存在ですが、髪の毛一本一本を支えているのがこの細胞です。毛母細胞の働きが弱まると、髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛や薄毛といったトラブルが起こりやすくなります。
大切なのは、早めに異変に気づき、正しい対策を始めることです。まずは、アスク井上クリニックの無料カウンセリングにご相談ください。毛母細胞の仕組みを理解し、日々のケアに役立てることで、未来の髪の健康を守りましょう。

















