ストレス

ストレスとは
ストレスという用語は、もともと物理学の分野で使われていたもので、物体の外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態を言います。ストレスを風船にたとえてみると、風船を指で押さえる力をストレッサーと言い、ストレッサーによって風船が歪んだ状態をストレス反応と言います。

私たちのこころや体に影響を及ぼすストレスには、「物理的ストレス」、「化学的ストレス」、「心理・社会的ストレス」があります。
普段私たちが「ストレス」と言っているものの多くは、この「心理・社会的ストレス」のことを指しています。職場には仕事の量や質、対人関係をはじめ、さまざまな要因がストレスとなっています。

ストレス反応は、心理面、身体面、行動面の3つに分けることができます。
心理面でのストレス反応には、活気の低下、イライラ、不安、抑うつ(気分の落ち込み,興味・関心の低下)などがあります。
身体面でのストレス反応には、体のふしぶしの痛み頭痛、肩こり、腰痛、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠などさまざまな症状があります。
また、行動面でのストレス反応には、飲酒量や喫煙量の増加、仕事でのミスや事故、ヒヤリハットの増加などがあります。

 

ストレスと気づいたら
ストレス反応が長く続く場合には、過剰なストレス状態に陥っているサインかもしれません。これらの症状に気づいたら、普段の生活を振り返り、ストレスと上手に付き合うための方法を工夫してみることをおすすめします。また、これらの症状の程度が重かったり長期間続くような場合には、専門家に相談するのがよいでしょう。
私たちは日常生活でストレスを経験すると、そのストレスを解決したり悪影響を緩和するために、さまざまな工夫をします。これをストレス対処(コーピング)といい、ストレス対処が適切になされている場合には、心理面、身体面、行動面のストレス反応は減っていきます。

しかし、対処能力を上回るほどのストレスを経験したり、ストレスが長期間続いたりすると活気が低下して、元気がなくなってきます。この状態が解消されずにいると、イライラや不安感を覚えるようになります。そして最終的には気分が落ち込んだり、ものごとがおっくうになるなど、いわゆる「うつ」の状態に近づいていきます。

 

ストレスの対処法
私たちがストレスにさらされ、もし、うまく処理できない時には、心身ともに異常が発生します。自分ひとりで対処できないようなストレスの場合は、自分の力と周囲の人たちの力を合わせて、よりよい解決の糸口を見出すことが重要です。
また、日頃からストレスが発散できるよう、趣味や生きがいとなるものを持つことも必要です。
窮地に陥った時に相談できる人を持つことは、極めて重要なことです。
私たちは人と人が作ったものから、そして自然からもストレスを受けますが、
一方でそれらはストレスを癒す大きな存在でもあるのです。