HPに最近いただいた質問がありましたので、お答えします。
「AGAクリニックでFAGAといわれました。女性のAGAは特殊で、フィナステリド・デュタステリドは効かないといわれて、ミノキシジル、パントガール、スピロノラクトンを処方されましたが、このまま使っていいのでしょうか? 値段も高いし。」
まず、診断と薬剤の関係についてです。
AGAは原理において男女の差はほぼなく、本当にAGAであればフィナステリドやデュタステリドが必ず効きます。
ただ、そもそも本当にAGAなのかという点に疑問もあります。
女性における薄毛は自律神経過敏が引き起こす脱毛症のことが多く、これは当然男性ホルモンとは無関係なので、フィナステリドやデュタステリドは効きません。
自律神経過敏性は治すことはできないので、対症療法として毛を元気にさせるミノキシジルが使えますが、副作用は強めです。
パントガール、スピロノラクトン、さらにタガメットもエビデンスはほぼないといってよいでしょう。スピロノラクトンはさらに副作用もあるので注意が必要です。
また、自律神経過敏に影響する慢性ストレスには、月経・出産・更年期・ピルなどでホルモンの変化が引き金となってますので、この辺りの対処も功を奏することがあります。
本当にAGAがあって、フィナステリドやデュタステリドを使う場合の量は、男性の1/4程度にしておくのがいいでしょう。
また、おでこが皮脂でテカる人は、1型5αRが関係してくることもあるため、その場合はデュタステリドの方がいいかもしれません。
さらに、もっと脂漏性皮膚炎があれば、ニゾラールシャンプーを週2~3回使用するのがいいでしょう。
ちなみに、ニゾラールシャンプー薬効であるケトコナゾールには、コルチゾールを下げる働きも確認されています。
コルチゾールとはストレス時に増えるホルモンです。慢性的なコルチゾールの上昇が自律神経過敏性脱毛症を引き起こすと考えられています。