このコラム、一般形成のドクターもみて参考にされているとご質問等のメールをいただくことが何度かありました。そこで植毛従事者における「植毛とは」について述べてみたいと思います。 元々この植毛という手術は、研修医でもやれるほど簡単な手術ではあります。しかしその結果には、施術者により大きな差があるものです。それを左右するものはなんでしょう。経験年数でしょうか、手術数でしょうか、手術法あるいは手先の器用さで…
あまり、意識していないせいか、十代でのAGAは無いように思われているのですが、大人になって受診される方の15%がすでに15歳前後で薄毛の発症を感じており、さらにわずかですが、十代前でも発症があるとの統計があります。 (この若年性のAGAとは別に、出生時に母胎の男性ホルモンの影響でAGAパターンをもつベビーがいます、出生後一年ほどで改善しますが、やはり、男性ホルモンの感受性が強い傾向にあり、その多く…
成長因子を使用しての治療におけるポイントは3点ほどあります。 どうやって作り、どの程度の頻度で、どの様にして適用するかです。 まず第一点はその作成法です。理想的には、目的となる成長因子を、E.Coli等へ遺伝子組み込みにより遺伝子工学的に精製することです。しかし最近使用されているものの多くは幹細胞などの培養液から抽出したもので、目的する成長因子が少ないだけでなく、目的としない、望まないものまで含ま…
治療で大切なことは、効果の高さだけでなく、いかに副作用や合併症を少なくするかなのです。しかし、現在における薬は、男性型脱毛症AGAにおいてはある程度の結果を出してはいますが、やはり副作用の問題は置き去りのままです。副作用を考える必要のない手術でも材料となる自毛の数には限界があります。 脱毛の抑制 毛髪生育の活発化なら成長因子の投与で可能となってきましたが、脱毛の抑制となるとちょっと厄介です。 毛包…
また成長因子話題ですが。 ヒト皮膚幹細胞培養液やヒト繊維芽細胞培養液には様々な成長因子や酵素、SOD、コラーゲンやケラチン等の細胞外マトリックス成分が豊富に含まれており、これより、より目的に合うように精製していきます。 しかし純粋にヒト成長因子(FGF-7、VEGFなど)を作ろうとすれば、大腸菌を用い遺伝子工学的に作らせることになりますが、成長ホルモンやエリスロポイエチン同様、比較的高価です。 こ…
長年、手術と薬の併用治療を推薦して参りましたが、その理由は、薬だけでは、一時的に良いようでも、満足いく状態を維持できない、かといって、手術にも限界はあるとのことからです。単独療法に比べたら満足度の高いものです。しかし、この薬が問題です、長期連用することになるのですが、なかなか効果を維持できないだけでなく、副作用の問題が浮かび上がってくるということです。それはあまり問題にならないものが大半ですが、少…